ホンダフィット試乗レポート

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日本車発のハイブリット+DCT設定のデビュー、そしてその後の5連続リコールと、良くも悪くも大きな話題になった3代目フィットのディーラー試乗+借りた車の試乗に行って参りました。

刷新されたエクステリア

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2001年にデビューのフィットは、翌年に33年間も国内販売台数トップの座を守り続けたカローラを抜いて以来、ホンダを代表する人気車種の1つであり続けています。

2代目フィット(2007年)では、外観ではそれほどインパクトのある変更はありませんでしたので、「今回のフルモデルチェンジはエクステリアが大きく変わりそう」という期待があったのですが、やはりぐっとワイルドに変身しました。

黒いフロントグリルのアクセント、ヘッドライトとエアインテーク形状に鋭角の角をつけたことで、キリリと男前のフェースになった気がします。

車両サイドの形状もシンプルで、直線的で角々していて、ちょっとかわいい車から、スポーティーで男性的なデザインに進化をとげたといえるのではないでしょうか。

それでいて、どう見てもやっぱりフィット。ステージを上りながらしっかりと初代からDNAを受け継いでいく、こういったフルモデルチェンジにはワクワク感を覚えます。

 

居心地のよい居住空間

歴代フィットの柱ともいえるデザインが「センタータンクレイアウト」、燃料タンクをフロントシートの下に収納することで、内部空間の広さを実現しています。

さて、さっそくフィットに乗り込んでみると、「ゆったりとしているな」と感心します。

特に後部座席は、5人乗りでは流石に窮屈でしょうが、後部を2名で使うのであれば、1段階ながらリクライニングもあり、足元も十分なスペースが確保されているので、長距離ドライブにも疲れを気にせずににお付き合いできそうです。

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運転席もなかなかの居心地の良さでした。
まず、窮屈さは全く感じません。

Aピラー下の小窓も手伝って視界は良好ですし、DCT用のシフトレバー回りはとてもシンプルで慣れれば扱い易そうです。

写真はハイブリッドのLパッケージですが、ステアリングホイール上で、オーディオやその他装備の基本的操作ができます。

これに慣れきってしまうと、車庫入れ中など大きくハンドルを回した時にボタン操作にとまどってしまうという落とし穴もあるのですが、とにかく便利です。

インパネの質感は、高級とまでは言いませんが、チープな印象を感じる個所はなく、かなり良い出来上がりだと感じました。

D席用にエアコン送風口前にドリンクホルダーが備えてあるのも親切です。

ただディーラーでは「保温・冷却効果は気休めくらいと思って下さい」とのコメントはありましたが。

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ラッゲージスペースにも大満足

荷物用の空間造りの巧みさは、ホンダがNBOXで存分に実力を見せつけけてくれた分野ですが、新型FITにも工夫がたくさんありました。

ラッゲージスペース自体も底面がフラットで使い易そうですが、肩をつかんでワンタッチで後部座席の背を倒すと、自動的に座席が沈みこみ、倒した座席の背もたれの高さが通常の座面よりも10cmほど低くなり、予想以上の空間を生み出してくれます。

また、後部座席を折りたたんで後ろ側に跳ね上げることも可能。

この車の収納力はかなりの活躍が期待できそうです。

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ハイブリッド+DCTの走り心地

パワートレインは全て新しくなりました。

エンジンはは1.3Lと1.5Lの2種類の設定ですが、1.3Lはアトキンソンサイクルを、1.5Lは直噴仕様を採用して燃費低減に努めています。

アイドリングストップも付きました。

今回試乗したのは、1.5L+HV+DCTという一番人気の仕様です。

理論上では、ギアとギアを直接噛み合わせ、ルクコンバーターも不要なDRYタイプ(潤滑油を充満させないタイプ)のDCTが一番高燃費のトランスミッションなのですが、日本車では一部の高級スポーツ車を除いて採用されたことがありませんでした。

欧州ではVWを筆頭にかなり普及している技術で、日本市場でユーザーにどう受け止められるのかと業界が大注目していました。

 

さて、そのハイブリッド仕様の乗り心地ですが、とても“自然”、そして自分が“運転している感”が楽しめました。

まず変速がとてもナチュラルでショックがほとんどなく、運転に合わせて欲しいトルク=入れたいギアに素早く変速してくれるので、思い通りに加速・減速できる自然さが良かったです。

そして、走り出しはモータ、踏み込んでいくとエンジンのパワーが加わり、更に加速時などには電動のパワーアシストがプラスされるというシンプルなHVシステムなので、働いている駆動力がよく分かり、自分が車を操作している感が十分に味わえました。
個人的には、これも運転して楽しいな要素の1つなのではないかと思います。

新型アコードやアクアのHVシステムは、もちろんメカニズムとしては素晴らしいのですが、アクセルを踏んでいるのが自分の足でも、車の中で何がどうなってタイヤを動かしているのか判らなくなってしまう時があります。

“運転しやすさ”とはまた別の問題ではあるのですが(アコードもアクアも運転しやすいです)、“運転している感”なら、断然FITのHVシステムが楽しめると思います。

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FITの走行性能

今回、運よく個人的にもFIT HV試用を借りることができましたので、ディーラーでは怒られてしまいそうな運転で、いろいろとFITをいじめてみることが出来ました。

まず急カーブはとても安定性がありました。

FITは元々小回りがきいてUターンも楽なのですが、早めのスピードからギュギュっとUターンしてみても全く危なげがありませんでした。

車体もタイヤも無理をしている様子がありませんし、変速もしっかり追随して、エンジンブレーキ(?DCTで発生するのか、他の現象なのか不明なのですが)の様なグリップ感も多少加わるので、カーブの性能はばっちりでした。

急ブレーキも、それほど車体のリジット感はないことには気づかされますが、足回りはしっかりとしていて特に気になるところはありません。

急発進については、中速から踏み込んだ場合はモーターと即座のシフトダウンにより不満のない加速力が出るのですが、停車状態からのアクセル全開はイタダケませんでした。

モータースタートが邪魔をしているのか、エンジンとDCTが本気を出してくれる迄に、なにか内部でモタモタしている様子なのです。

この点だけは少々気になりました。
でも日常使いで0ダッシュが必要なシーンはそうそう有りませんかね。

カタログ燃費はJC08モードで36.4、ディーラー情報では、実燃費は20代後半にはなる、とのことでした。

ホンダのリコール事件について

ディーラー試乗の際に、冗談で「エアバックはタカタ製じゃないですよねー」と言ってしまったのですが、ディーラーの方にかなり嫌そうな苦笑いをされてしまいました。

(もちろん現行のタカタエアバッグは不具合対策済みです)タカタの問題は、そもそもモジュール化の拡大で1部品の不具合の影響が大きくなることへの懸念から、各完成車メーカーが品質問題により力を入れる前に発生していた、海外工場の工程管理という、日系メーカーが一番苦労するところですので、どうも同情してしまうのですが、FITの5回連続リコールは、全く別のところに根がある問題でした。

既にホンダもその根に気づいていて、新車の完成度向上の為に発売延期を発表しましたし、実車でのテスト走行や外資メーカーとのすり合わせの時間をしっかりと確保する重要性を表明してもいます。

今回のDCTのメインサプライヤーは、既にVW向けなどで十分にDCT向けクラッチの実績ががある独シェフラー社です。
2枚付いているクラッチは油圧制御されているのですが、レイアウトの問題からオイルポンプの1つのスペースがとれず、クラッチから遠く離れた場所からオイルを送る変則設計になっているそうですが、それでもハードではリコールに至る様な問題は発生させていません。

今回の連続リコールは、ソフト、つまり制御プログラムでの問題で起きていて、素人目にも、エラーモードなどの灰汁だしが十分できていなかったのではないかと思わざるを得ません。

昔と比べて車の開発期間は驚くほど短縮されて、その短縮時間の多くは設計やプログラミング時のシュミレーション技術で補われています。

その流れはもう変わらないと思いますが、“試験・実験・新しいものが大好き”な会社ホンダが、その流れの危うさをしっかり自覚してくれたことは、ユーザーとして却って安心なのかもしれません。

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