新車と同様に、中古車の購入時も自動車税などの諸費用は発生します。
では、その諸費用は一体いくら払えば良いのでしょうか。
本記事では、
- 中古車を購入時の諸費用の相場
- 諸費用の種類
- 節約できる諸費用
などをお伝えしていきます。
相場や節約可能な諸費用を知っておかないと、余分な出費が発生してしまうかもしれません。
最後までしっかり目を通しておいてくださいね。
中古車の購入時にかかる諸費用の相場は?
中古車の購入時の諸費用の相場は、
です。
参考までに、私が以前中古車を購入したときの見積書を掲載します。
諸費用のみで約13万円かかりました。
どんな諸費用があるの?
法定費用
- 自動車税
- 自動車重量税
- 自賠責保険料
- リサイクル料金
- 預かり法定費用
- 消費税
- 環境性能割
非法定費用
- 検査登録代行費用
- 車庫証明手続き代行費用
- 納車費用
- 陸送費用
- 希望ナンバー費用
- 洗車費用
など
法定費用は必ずかかり、値引きは出来ない
法定費用というのは、法律で決まっている税のことです。
国が決めた税制なので値引きは不可で、一律の料金を支払う必要があります。
自動車税
自動車を所有している人なら毎年払わなければいけない自動車税。
中古車を買った時は、車種によって以下の費用が必要です。
- 普通車:次の3月までの自動車税を月割で払う
- 軽自動車:10,800円を払う
排気量 | 引下げ前の税率 | 引下げ後の税率 (引下げ額) |
---|---|---|
1,000cc以下 | 29,500円 | 25,000円(▲4,500円) |
1,000cc超1,500cc以下 | 34,500円 | 30,500円(▲4,000円) |
1,500cc超2,000cc以下 | 39,500円 | 36,000円(▲3,500円) |
2,000cc超2,500cc以下 | 45,000円 | 43,500円(▲1,500円) |
2,500cc超3,000cc以下 | 51,000円 | 50,000円(▲1,000円) |
3,000cc超3,500cc以下 | 58,000円 | 57,000円(▲1,000円) |
3,500cc超4,000cc以下 | 66,500円 | 65,500円(▲1,000円) |
4,000cc超4,500cc以下 | 76,500円 | 75,500円(▲1,000円) |
4,500cc超6,000cc以下 | 88,000円 | 87,000円(▲1,000円) |
6,000cc超 | 111,000円 | 110,000円(▲1,000円) |
出典:総務省
2019年10月1日からの消費増税の影響で、自動車税は最大4,500円安くなります。
出典:グーネット
例えば1,500ccの中古コンパクトカーを2019年10月に買った場合は
ということで、15,730円かかります。
自動車重量税
自動車の重量に応じて払う税金が自動車重量税です。
通常は車検時にまとめて2年分を支払います。
中古車購入時に車検期間が残っている場合は、購入時には支払う必要がありません。
車種・重量 | 1年ごとの税額 | 新車の新規登録から 13年~ | 新車の新規登録から 18年~ |
---|---|---|---|
軽自動車 | 3,300円 | 4,100円 | 4,400円 |
~500kg以下 | 4,100円 | 5,700円 | 6,300円 |
~1,000kg以下 | 8,200円 | 9,800円 | 10,400円 |
~1,500kg以下 | 12,300円 | 13,900円 | 14,500円 |
~2,000kg以下 | 16,400円 | 18,000円 | 18,600円 |
~2,500kg以下 | 20,500円 | 22,100円 | 22,700円 |
~3,000kg以下 | 24,600円 | 26,200円 | 26,800円 |
自賠責保険料
強制保険とも呼ばれる自賠責保険。
自賠責保険料も通常は車検時にまとめて2年分を支払います。
しかし中古車の購入時には次の車検までの月割計算額を払う必要があります。
12ヶ月 | 13ヶ月 | 24ヶ月 | 25ヶ月 | |
---|---|---|---|---|
自家用乗用自動車 | 15,520円 | 16,380円 | 25,830円 | 26,680円 |
軽自動車 | 15,130円 | 15,960円 | 25,070円 | 25,880円 |
リサイクル料金
リサイクル料金は、購入した中古車を廃車にするときにかかる費用で、購入時に前払いという形で課税されます。
リサイクル料金の相場は1万円~2万円です。
ちなみに私の場合(フィット)は10,810円かかりました。
実際にいくらかかるのかは車種によって異なるので、「自動車リサイクルシステム」のページで確認してみてくださいね。
預かり法定費用
預かり法定費用は、販売店へ預ける法定費用です。
各種手続きの手数料や印紙代が含まれます。
上画像の四角で囲った部分の合計額が預かり法定費用です。
もし下取り車がある場合は「下取車法定費用」も必要です。
消費税(2019/10/1より増税)
車に限らず課税される消費税は、2019年10月1日より8%から10%に増税されます。
これまで掲載してきた私の見積書は全て税込み表示でした。
しかし販売店によっては税抜き表示の場合もあるので、必ず確認しましょう。
【新税制】環境性能割
上記の消費増税にともなって、自動車取得税は廃止されます。
その代わりにできた新しい税制が環境性能割です。
かんたんに言うと、「環境に優しい車は非課税、そうでなければ課税」されます。
燃費性能等 | 税率 | ||
---|---|---|---|
自家用 | 営業用 | ||
登録車 | 軽自動車 | ||
電気自動車等 | 非課税 | 非課税 | 非課税 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+20%達成車 | |||
★★★★かつ2020年度燃費基準+10%達成車 | 1.0% | ||
★★★★かつ2020年度燃費基準達成車 | 2.0% | 1.0% | 0.5% |
★★★★かつ2015年度燃費基準+10%達成車 | 3.0% | 2.0% | 1.0% |
上記以外 | 2.0% |
出典:総務省
【普通車】(2019年10月1日から2020年9月30日の間に購入した場合)
対象車 | 通常の税率 | 臨時的軽減後の税率 (2019年10月1日 ~ 2020年9月30日) |
---|---|---|
電気自動車等 | 非課税 | 非課税 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+20%達成車 | ||
★★★★かつ2020年度燃費基準+10%達成車 | 1.00% | 非課税 |
★★★★かつ2020年度燃費基準達成車 | 2.00% | 1.00% |
上記以外の車 | 3.00% | 2.00% |
【軽自動車】(2019年10月1日から2020年9月30日の間に購入した場合)
対象車 | 通常の税率 | 臨時的軽減後の税率 (2019年10月1日 ~ 2020年9月30日) |
---|---|---|
電気自動車等 | 非課税 | 非課税 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+10%達成車 | ||
★★★★かつ2020年度燃費基準達成車 | 1.00% | 非課税 |
上記以外の車 | 2.00% | 1.00% |
出典:総務省
販売店独自の手数料は値引き可能
諸費用は法定費用だけではなく、販売店が独自に決める費用も含まれます。
ただし法律で決められた費用ではないため、こちらは値引き交渉が可能です。
よく考えたら要らないサービスがあるかもしれないので、必ず一つ一つの項目に目を通しましょう。
ちなみにこれから紹介する費用は一例です。
販売店によって項目名が異なったり、ここにはない費用が発生する可能性があるので、注意しましょう。
検査登録代行費用
中古車を購入すると、所有者の名義変更や移転登録などの手続きが発生します。
それら煩雑な手続きを、販売店が代わりにやってくれるときにかかる費用が検査登録代行費用です。
相場は3万円~5万円と言われていますが、私の場合は21,816円でした。
車庫証明手続き代行費用
車庫証明というのは、「車の保管場所はココですよ」というのを証明するための書類です。
その書類をあなたに代わって販売店が取得してくれるときに発生する費用が車庫証明手続き代行費用です。
相場は1万円~2万円で、私の場合も18,792円かかりました。
ただし、平日の日中に提出しなければならないので注意しましょう。
納車費用
納車時に、指定の場所まで車を運んでくれるときに発生する費用が納車費用です。
納車場所が販売店から
- 近ければ5,000円~10,000円
- 遠ければ10,000円~30,000円
が相場です。
ただし販売店によっては「納車整備費用」を含んでいる可能性があるため、よく確認しましょう。
「納車整備費用」は、納車までに点検・整備をし、その費用を請求するものです。
ちなみにこの場合の相場は2万円~5万円です。
と高をくくらずに、必ず販売店に確認しましょう。
陸送費用
上の納車費用と似ていますが、陸送費用は「販売店が車を取り寄せるとき」に発生する費用です。
相場は陸送業者や地域によってまちまちですが、大まかに2万円~10万円です。
希望ナンバー費用
文字通り、自分の好きなナンバーを希望するときに発生する費用です。
希望ナンバーがなくても、中古車を買ったときはナンバー代として5,000円程度の費用がかかります。
ナンバーを希望する場合は更に5,000円ほど必要で、加えて2,000円ほどの手続き代行費用も必要です。
洗車費用
基本的に中古車を買ったら洗車をしてくれて、キレイな状態で納車されます。
そのときの洗車費用の相場は汚れ具合によって異なりますが、50,000円以内でおさまります。
「汚くても構わない、自分で洗車する!」
という人は、販売店と相談してみましょう。
【必見】諸費用を安くする方法
自分で出来る手続きは自分で行う
先ほど紹介した諸費用(非法定費用)のうち、下記のものは自分で手続きをすることで節約可能です。
- 検査登録代行費用
- 車庫証明手続き代行費用
自ら陸運局に足を運べば、わずか1,500円の費用で名義変更が出来ます。
しかし名義変更は大事な手続きなので、販売店によっては自分で行う事を拒否されてしまうかもしれません。
また、自分で手続きを行うと当然手間と時間がかかります。
結果的に、
「多少のお金を払ってでも販売店に任せておいた方が良かった」
という事態にもなりかねません。
必要のない費用は削る
先ほど紹介した諸費用(非法定費用)のうち、下記のものはカットできる費用です。
- 納車費用
- 陸送費用
- 希望ナンバー費用
- 洗車費用
費用項目 | 節約方法 |
---|---|
納車費用 | 自分で販売店に車を取りに行く |
陸送費用 | 販売店の在庫にある車を選ぶ |
希望ナンバー費用 | ナンバーを希望しない |
洗車費用 | 洗車を希望しない |
何でもかんでも削れば良いという訳ではない、ということは覚えておきましょう。
車検が残っている中古車を選ぶ
車検が切れている中古車を買ってしまうと、購入と同時に車検をしなければいけません。
車検費用の相場は7万円~10万円です。(普通車の場合)
車両本体と諸費用とは別に、これほどの大金を支払う必要があるのです。
車検が残っている中古車は、それだけ車両本体の価格が高くなります。
そのため、先ほどの車検相場費用(7万円~10万円)を勘定に入れて中古車を選びましょう。
- 車検残が1年で100万円の中古車
- 車検切れで90万円の中古車
の2つの中古車があった場合。
「車両本体価格+車検費用」は、
- Aが105万円
- Bが100万円
です。
このように、車検切れの中古車を選んだ方が得するということもあります。
軽自動車を選ぶ
最近の軽自動車は価格が高めですが、維持費や諸費用を考えれば普通車より断然お得です。
下表は軽自動車とコンパクトカー(1500cc)の1年あたりの諸費用を比べたものです。(2019年10月以降)
費用項目 | 軽自動車 | 普通車(~1500cc) | 差額 |
---|---|---|---|
自動車税 | 10,800円 | 30,500円 | 19,700円 |
自動車重量税 | 3,300円 | 12,300円(1t~1.5t) | 9,000円 |
自賠責保険 | 15,130円 | 15,520円 | 390円 |
車検代 | 50,000円~70,000円 | 70,000円~100,000円 | 20,000円~ 30,000円 |
上記に加え、一般的に普通車よりも軽自動車の方がガソリン代は安く済みます。
値引き交渉をする
先ほど紹介した諸費用(非法定費用)は販売店が独自に決めた費用なので、値引き交渉が可能です。
「今日契約しちゃうから、納車費用はオマケしてください!」
など、こちらのハンコを武器に値引きやサービスをお願いしてみましょう。
ちなみに私は希望ナンバー費用をオマケしてもらい、無料で自分の望むナンバーを手に入れました。
しかも自分からお願いしたわけではなく、セールスマンの方から提案してくれました。
そのセールスマンの方がとても良い人で、良好な関係を築けたのが勝因だと思います。
中古車にかかる諸費用をシミュレーション
条件
- 購入月:2019年10月
- 年式:2014年式(5年落ち)
- 走行距離:5万km
- 車検残:1年
- 納車整備費用あり
- 洗車費用あり
- その他、車庫証明以外は出来るだけ節約
普通車(プリウス)
出典:MOTA
プリウス | 諸費用項目 | 費用 |
---|---|---|
法定費用 | 自動車税 | 36,000円 |
自動車重量税 | 12,300円 | |
自賠責保険料 | 15,520円 | |
リサイクル料金 | 10,000~20,000円 | |
環境性能割 | 非課税(0円) | |
販売店手数料 | 検査登録代行費用 | 30,000円~50,000円 |
納車整備費用 | 20,000円 | |
納車費用 | 0円 | |
車庫証明手続き代行費用 | 10,000円 | |
陸送費用 | 0円 | |
洗車費用 | 10,000円 | |
合計 | 122,820円~152,820円 |
軽自動車(N-BOX)
出典:MOTA
N-BOX | 諸費用項目 | 費用 |
---|---|---|
法定費用 | 自動車税 | 10,800円 |
自動車重量税 | 3,300円 | |
自賠責保険料 | 15,130円 | |
リサイクル料金 | 10,000~20,000円 | |
環境性能割 | 非課税(0円) | |
販売店手数料 | 検査登録代行費用 | 30,000円~50,000円 |
納車整備費用 | 20,000円 | |
納車費用 | 0円 | |
車庫証明手続き代行費用 | 10,000円 | |
陸送費用 | 0円 | |
洗車費用 | 10,000円 | |
合計 | 109,230円~139,230円 |
まとめ
中古車を買ったときの諸費用について、相場や費用項目をお伝えしてきました。
かなり長い記事だったので、最後に大事な点をまとめますね。
- 中古車を買ったときの諸費用の相場は10万円~30万円
- 諸費用には法定費用と非法定費用(販売店への手数料など)がある
- 法定費用は値引き不可で、一律料金を支払う必要がある
- 消費増税にともなって自動車取得税が廃止、代わって環境性能割が適用される
- 非法定費用は値引き可で、場合によってはサービスしてくれるかも
- 非法定費用の中には、自分で手続きを行うことでカットできる費用がある
- 非法定費用の中から必要のない費用を削ることで、節約が可能
- 軽自動車は購入時の諸費用だけでなく、後々の維持費も安くなるのでお得
中古車を買うときは車両本体の価格だけでなく、諸費用のことも考えて
「車両価格」+「10万円~30万円」
を見積もっておきましょう。
いざ支払うときになって、「思ってた以上に高くなってしまった」なんて事にならないようにしましょうね。