2009年に発売された、ダイハツ・ミラの派生モデルである「ミラ・ココア」に試乗してきました。
その前年の2008年12月に生産終了となった「ミラ・ジーノ」の後継車種となっている「ミラ・ココア」。
車名の由来はドリンクのココアから来るもので、ココアを飲んだ時のホッとする雰囲気から落ち着く車を表現したそうです。
「かわいいは世界をつくる」というキャッチコピーから、女の子受けする車という感じもしますね。
私は”女の子”ではありませんが(汗)、見て触れて試乗している間だけは女の子気分で行ってみようと思います。
ミラ・ココアの外観
ダイハツの中でも格好良さのあるタント・カスタムやムーブ・カスタムなどと比べると控えめな印象ですが・・・
でも可愛さはダイハツの車で一番だと思います。
可愛さのある車ですと、スズキのラパンが雰囲気的に近いものはありますよね。
今回、試乗させて頂いたのはココア・べリンダという特別仕様車です。
もしかして「見たことない!」と思う方もいるかもしれません。
こちらは関東限定になるので、他の地域での販売がありません。
ココア・プラスXをベースにした特別仕様車になるのですが、大きな違いはあるのでしょうか?
試乗車と展示車がないのでカタログを見ての比較になりますが、ココア・プラスXに少し手を加えた感じですね。
給油口の部分にはココア・べリンダのエンブレム
リヤのエンブレムには小鳥付き
ミドルバイザー
バックドアハンドルガーニッシュ
こちらはメッキになっています。
外観はこのくらいなので、よく見ないと分からないかも知れません。
ココア・プラスXがベースになるので、当然同じものも多く装備されています。
タイヤは14インチでホイールキャップが装着されています。
シルバー×ガンメタリックの2トーンです。
LEDヘッドランプにメッキフロントグリル
メッキバンパーコーナーモールシルバールーフレール
ココア・プラスXもココア・べリンダも車両本体価格は全く同じです。
ミラ・ココアの中でもココア・プラスXは上から2番目のグレードになるため、標準装備となっているものも多くて質感も良いです。
他にはプラスX Limited、X、X Limited、Lのグレード展開です。
グレード間の値段差が最大で30万円近く変わるので、下のグレードに行けば行くほどチープさは否めなくなってきます。
でもココア・プラスXやココア・べリンダとの比較になるので、XやLなどのグレードだけを見る分には普通に良いとは思います。
ミラ・ココアの内装
ミラ・ココアの内装を紹介していきます。
特別仕様車のべリンダの内装になります。
やっぱり可愛いさを猛烈アピールしています。
パネルカラーがアイボリー
シートカラーはピンクベージュ
インテリアパネルパックのカラーはラズベリーソース
あとはカーペットマットにストライプを使用しているのがべリンダの特徴です。
ベースモデルのプラス・X、プラスX Limitedになるとパネルカラーとシートカラーの選択も可能です。
・アイボリー
・ピンクベージュ
・ブラウン
これらを組み合わせることで9パターンのコーディネートが出来ます。
「マイルーム作りを思いきり楽しもう」とカタログに記載があったのですが、部屋という部分ではラパンと共通していますね。
ラパンも自分の部屋に居るような居心地を車で・・・というようなコンセプトでした。
シートはベンチシートになっています。
アームレストはありますが、コンソールつきではないですね。
シートはフワフワを想像していましたが、意外としっかりしています。
後部座席です。
これは運転席も助手席も一番後ろにスライドしている状態ですが・・・やっぱりハイト系ワゴンと比べてしまうと狭く感じますね。
手とバッグを置いて広さ確認してみます。
後部座席はリクライニングやスライドもできません。
ラゲージルームの広さも常時この状態です。。
シートを倒せば広くなりますが、後部席が別れていないので3人乗って大きな荷物も。という使い方はできません。
ラゲージルームはアンダーボックスがあり、タイヤパンク応急修理セットと交換用工具が入っています。
前に戻ってインパネ周辺も見てみましょう。
ステアリングはウレタン素材です。
メーターですが、ちょっと古くさい感じもします・・・。
エコアシスト画面などもなく、平均燃費など基本的なことが分かる程度。
タコメーターはあるので回転数を見たい方には良いかも知れまんが、少し寂しいですね。
エアコンはフルオートエアコン
全体的に可愛らしさはありますが、やはり部分的に新しさに欠ける部分が目立ちました。
可愛く見せる努力はしていると思いますが、他の軽自動車の内装が良くなっているので努力は必要ではないでしょうか。
収納
所々にある収納はスッキリしまえてすぐに取り出せる事を考えたものだそうです。
機能的な収納に色々と車内に持ち込みたくなってしまいそうですね。
助手席にあるインパネアッパーボックス
開けてみるとこんな感じです。
大きさ的にはCDがそのまま入るくらいです。
横にはドリンクホルダーが収納されています
その下にはグローブボックス
エアコンの真下にあたる位置にはインパネロアポケットとドリンクホルダー
ドリンクホルダーはリッドがないので安定感には多少欠けるかも知れませんね。
また使わない時のことを考えると蓋があると誇りや汚れ防止になるのになと思います。
キーの下の位置にはドライバーズボックスとコインポケット
助手席の後ろにはシートバックポケット
3kgまで可能なショッピングフックもあります。
ドアポケットも収納として利用が可能!
フロントはポケットのみですが、リヤはポケットとドリンクホルダーを兼ねていました。
収納はこれで一通りですが、狭いスペースを有効活用していると思います。
助手席の下をのぞいてみたら、残念ながらアンダートレイボックスはありませんでした。
ダイハツの他の軽自動車を色々見てみましたが、アンダートレイボックスは入っていたり入っていなかったり・・・。
女性メインで乗る車になるので、シューズの履き替えの機会もあるので、アンダートレイがると便利かなと思います。
ミラ・ココアの試乗 乗り心地はどう?
ミラ・ココアですが、プッシュスタートシステムではありません。
オプションでさえも設定がないという、時代から遅れた感覚(汗)
とりあえず、エンジンスタートで出発です。
ノンターボだし、走りよりも外観や内装にお金かけている印象なので「どうせ走らないよな~」と思っていました。
期待値が低かったせいなのか、意外と良い印象を受けました。
スタートの滑り出しも静かですし、街乗り含めて通常走行ですと特にストレスはなく走行できるかと思います。
アクセルを少し踏んだだけで20kmまでバーっと加速したので、思ったほど悪くはないと思いました。
でもそれ以降になるとやっぱり軽自動車レベル・・・。中間スピードでの加速はノンターボ車は厳しいのかな。
車の外観のようにゆったりとした雰囲気で走るのがベストだと個人的には思いました。
乗り心地はやや固めな感じでしょうか。
低速~中速で走行している分には安定性はありますが、カーブなどに入ると少し外側にふられるような感覚があります。
この辺は少し不安が残る部分です。
またロードノイズが大きく、路面状況次第では相当うるさく感じます。
街乗りで穏やかに乗るなら問題ないかな?
アイドリングストップについては止まったと思えば始動したり、タイミングがよく分からない部分がありました。
交差点で左折待ちでは止まり、少し流れの悪い道でまた止まり、ディーラーでバックした時も止まり・・・やたらと止まってくれます(汗)
アイドリングストップはオフにも出来るのですが、エンジン始動のたびに切り替えが必要です。
維持出来ないのは使いずらいため、メモリー機能があれば良いと思いました。
ミラ・ココアの実燃費はどのくらい?
カタログ表示は29.0km/lです。
試乗時の実際の燃費はこんな感じ↓
試乗にての平均燃費は17.8km/l。
営業スタッフに話を聞いても、平均して20km/lに届くかどうかのところのようですね。
エアコンを使ってしまうと15km/lには到底届かなくなってしまうでしょう。
いつも思いますが、ミラ・ココアに限らず国産の車はカタログ表示の燃費と違いすぎますね。
カタログ表示よりもユーザーレビューや営業スタッフの話のほうが参考になる部分が多いです。
燃費のついてはカタログ表示よりも、自分で調べてみたほうが確実です。
ミラ・ココアの金額 見積もりとってみました!
ココア・べリンダで見積書を作成しました。
1,861,730円
ココア・べリンダは車両本体価格が1,404,000円になりますが、値段を下げたい場合はLグレードなどにする方法もあります。
車両本体価格は1,188,000円(2WD)になるので、216,000円の差が出ます。
特に装備は要らない!という方ですと、グレードを下げた買い方も1つの方法になると思います。
値引きは初回商談では5万円です。
ベースモデルよりも特別仕様車であるココア・べリンダの方が値引きは難しいことは話していました。
少し車両本体価格のあがる、ココア・プラスX Limitedですと8万円は出来るようですが、かなり良い値段ですからね。
想定内の数字でしたので驚きませんが、大幅値引きとかはありませんね。
モデルとしては長いので多少の値引き幅は期待しましたが、あまり関係ないみたいでした。
ディーラーが初回だから様子見てるだけ?と思って調べてみましたが、やはり10万円あるかないかくらいの数字が値引き相場のようです。
1000~1200ccクラスのコンパクトカーのほうが値引きをするのではないでしょうか?
でも月のガソリン代や保険料金や自動車税などを考えたら軽自動車の方が格段に良いので、乗り出し金額だけでは決められませんよね。
ミラ・ココアの総評
外観のデザイン以外に関しては正直、お勧めできないのが事実でしょう。
スマートアシストが未搭載のため、安全性の面でもいまひとつ。
最近は軽自動車でも当たり前となっているプッシュスタートシステムも未搭載です。
特別仕様車をせっかく出したのだから、もう少し何とかならなかったものかな?と率直に思いました。
さすがにもう末期の気配を感じます。
そう遠くないうちにミラ・ココアのフルモデルチェンジが来てもおかしくなさそうです。
可愛らしさを求めた車であれば、新しい車な分だけ装備もスズキのラパンの方が良くなっています。
安全装備も搭載されていますし、何かあった時に守って貰えるか否かの差はこの時代では大きいです。
この辺は見比べ、乗り比べしてみると良いかも知れません。
ミラ・ココアも値引き額が渋いので、それほど金額が変わらないのであればラパンという選択肢も多いにありでしょう。
ただ可愛くてフワっとした輸入車的な外観の軽自動車は多くありません。
ハイト系の軽自動車ではなく、個性的な外観にそこそこ走れる車が欲しい方にはベストでしょう。
その辺のことを思うと今後も軽自動車に残って欲しい車種ではあります。
フルモデルチェンジに期待したいですね。
タイプ別に軽自動車を比較ランキングしたので参考にして下さい。
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