山道などの悪路も走れるSUV。
キャンプなどのアウトドアにも使いやすく、人気のある車種です。
しかし、維持費が高いという噂もあり、なかなか購入に踏み切れない方もいるのでは?
今回はSUVの維持費について徹底調査してみました!
普通車と比べて維持費は高いのか、どのような維持費がかかるのかなどをまとめました。
SUVの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
「SUV=維持費が高い」は間違い!
「SUVだから維持費が高くなる」ということはありません。
SUVだからという理由で、税金が高くなることも、追加の費用が掛かることはありません。
そもそもSUVってなに?
SUVとは「スポーツ・ユーリティ・ヴィークル」の略です。
日本語にすると「スポーツ用多目的車」となります。
SUVというと4WD車やラダーフレーム車を連想しますが、明確な規定はありません。
街乗りにもアウトドアにも使える車なら、SUVであると言えます。
SUVには以下のような特徴が見られます。
- 車高が高い
- タイヤが大きめで最低地上高が高い
- 車体が大きめで居住空間や荷室が確保されている
最低地上高が高いと、悪路も走りやすくなります。
また、車高が高いと視線も高くなるので運転しやすく、荷室が大きいといろいろな用途に使えて便利です。
「スポーツ用多目的車」という名称に恥じない使いやすさがSUVの魅力です。
維持費が高いイメージの原因は車体サイズと燃費
車体が大きいと「重い」「燃費が悪い」というイメージがあります。
車が重いと、自動車重量税が高くなりまし、燃費も悪くなります。
また、一昔前のSUVは燃費が悪いものが多くありました。
車体サイズ、排気量の近い車で、重量と燃費を比較してみました。
下の表はSUVであるCX-3と、ファミリーカーのシエンタを比較したものです。
CX-3 | シエンタ | |
排気量(L) | 1.8(1.5) | 1.5 |
全長(mm) | 4,275 | 4,260 |
全幅(mm) | 1,765 | 1,695 |
全高(mm) | 1,550 | 1,470 |
重量(kg) | 1,230~1,370 | 1,320~1,380 |
実燃費(km/L) | 13.12(17.83) | 13 |
※CX-3の列にある( )内の数値は、ディーゼル仕様車のものです。
SUVだから重くて燃費が悪いというのは古いイメージです。
メーカーの試行錯誤により、車体は軽く、燃費は向上しています。
また、SUVにもディーゼル仕様車やハイブリッドカーが参入しています。
そのため、選ぶ車種によって、維持費はSUVの方が安い可能性もあるのです。
SUVと普通車の維持費を比較してみよう!
下の表はCX-3とシエンタの年間維持費を比較したものです。
CX-3 | シエンタ | |
自動車税 | 39,500円(34,500円) | 34,500円 |
点検費用 | 33,265円 | 33,265円 |
燃料費 | 105,183円(66,741円) | 106,154 |
任意保険費用 | 86,000円 | 86,000円 |
合計 | 263,948円(220,506円) | 259,919円 |
※CX-3列にある( )内の数値は、ディーゼル仕様車のものです。
点検費用には自動車重量税、自賠責保険料も含まれています。
また、使用状況により差が出るメンテナンス費用は含んでいません。
ディーゼル仕様だと燃費の良さでSUVであるCX-3の方が安いくらいだ
SUVの維持費にはどんなものがある?
SUVに限らず、車には維持費がかかります。
どのような費用が掛かるのか、細かく見ていきましょう。
とくに初めて車を買う方は必見です。
自動車税
自動車税は、毎年4月1日時点で車を所有していると支払い義務が生じます。
車の排気量が多いほど、税額が高くなります。
以下の表は、自動車税の価格をまとめたものです。
車の分類 | 総排気量 | 税額 | 13年後以降 |
軽自動車 | 一律 | 10,800円 | 12,900円 |
普通 乗用車 | 1L以下 | 29,500円 | 34,000円 |
1L超~1.5L以下 | 34,500円 | 40,000円 | |
1.5L超~2.0L以下 | 39,500円 | 45,500円 | |
2.0L超~2.5L以下 | 45,000円 | 52,000円 | |
2.5L超~3.0L以下 | 51,000円 | 59,000円 | |
3.0L超~3.5L以下 | 58,000円 | 67,000円 | |
3.5L超~4.0L以下 | 66,500円 | 76,500円 | |
4.0L超~4.5L以下 | 76,500円 | 88,000円 | |
4.5L超~6.0L以下 | 88,000円 | 101,500円 | |
6.0L超~ | 111,000円 | 128,000円 |
また、2019年10月以降に購入した車は、自動車税が少なくなります。
2019年10月以前に購入した車には適用されないのでご注意を。
車を買う予定があるなら、減税後に買う方がお得です。
下の表は、減税後の自動車税をまとめたものです。
車の分類 | 総排気量 | 減税後 |
軽自動車 | 一律 | 10,800円 |
普通 乗用車 | 1L以下 | 25,000円 |
1L超~1.5L以下 | 30,500円 | |
1.5L超~2.0L以下 | 36,000円 | |
2.0L超~2.5L以下 | 43,500円 | |
2.5L超~3.0L以下 | 50,000円 | |
3.0L超~3.5L以下 | 57,000円 | |
3.5L超~4.0L以下 | 65,500円 | |
4.0L超~4.5L以下 | 75,500円 | |
4.5L超~6.0L以下 | 87,000円 | |
6.0L超~ | 110,000円 |
自動車重量税
自動車重量税は、新車登録時や車検の際に支払います。
車の重量が重いほど、税額が高くなります。
下の表は、自動車重量税の税額を重量ごとにまとめたものです。
車の分類 | 車両重量 | 税額 | 13年後以降 |
軽自動車 | 軽自動車 | 6,600円 | 8,200円 |
普通 乗用車 | ~500kg以下 | 8,200円 | 11,400円 |
~1,000kg以下 | 16,400円 | 22,800円 | |
~1,500kg以下 | 24,600円 | 34,200円 | |
~2,000kg以下 | 32,800円 | 45,600円 | |
~2,500kg以下 | 41,000円 | 57,000円 | |
~3,000kg以下 | 49,200円 | 68,400円 |
自賠責保険料
自賠責保険料は重量税と同じように、新車登録や車検の際に支払います。
下記の表は、自賠責保険料をまとめたものです。
車の分類 | 12カ月 | 24カ月 |
軽自動車 | 15,130円 | 25,070円 |
普通自動車 | 15,520円 | 25,830円 |
自賠責保険に入っていないと車検は通らないので、必ず加入しなくてはいけません。
もし自賠責保険が切れた状態で公道を走っていた場合、以下の罰則が与えられます。
- 1年以下の懲役または50万円以下の罰金
- 免許の点数が6点減点(免許停止)
自賠責保険では、対人補償で最大4,000万円が受け取れます。
物損事故には対応していないので注意しましょう。
また、補償対象に自分(運転手・車両所有者)は含まれません。
事故にあった被害者や、同乗の家族に対する補償だと覚えておきましょう。
以下の表は、自賠責保険の補償についてまとめたものです。
対人 | 対物 | |
傷害 | 120万円まで | 補償外 |
死亡 | 3,000万円まで | |
後遺障害 | 4,000万円まで |
だからこそ、任意保険の加入が大切なんだ
任意保険料
民間の保険会社で加入する保険です。
保険料は契約する会社やプラン、運転者の年齢などによって異なります。
一般的な保険料は年間10万円~5万円程度になります。
任意保険は、事故の際に自賠責保険では補いきれない金額分を補償してくれます。
もし任意保険に入らずに事故を起こした場合、何千万円もの借金を負う可能性があります。
また、被害者も満足のいく補償が受けられず、その後の人生に大きな傷跡を残すことになりかねません。
自分のためにも、被害者のためにも、任意保険には入っておきましょう。
点検費用
主に車検、法定24ヵ月点検、法定12ヵ月点検にかかる費用です。
これらの点検はディーラーや専門店に依頼することになるため、費用もまちまちです。
車検と法定24ヵ月点検は同時に行われ、10万円程度かかります。
法定12ヵ月点検には1万~2万円程度かかります。
維持費を抑えたいときは、安く点検してくれるお店を探してみましょう。
燃料費
燃料費は、ガソリンや軽油にかかる費用です。
維持費の中でも、運転の仕方や車の性能次第で金額に差がでる費用です。
燃料費は、車の燃費とガソリン・軽油の値段、走行距離で決まります。
燃料費を下げるポイントは以下の通りです。
- 燃費の良い車に乗る(ハイブリッドカーなど)
- 電気自動車に乗る
- ディーゼル車に乗る (ガソリンより軽油のほうが安いため)
- エコ運転を心がける
- 移動に車を使わない
SUVのなかにもハイブリッドカーやディーゼル車はあります。
これらの車はガソリン車と比べると燃料費を大きく下げられるので、維持費を抑えたい方におすすめです。
駐車場代
駐車場が自宅にない場合、借りる必要があります。
駐車場代は住んでいる地区で値段に差が出ます。
東京では月額4万円を超える駐車場がある一方で、地方では月額3,000円で借りられる駐車場もありピンキリです。
駐車場がない状態で新しく車を買う場合は、近隣の駐車場代を調べておきましょう。
メンテナンス費用
車の消耗品にかかる費用です。
消耗品は下記のものがあります。
- オイル類
- フィルター類
- タイヤ
- バッテリー
- ワイパー
- ブレーキパッド
- スパークプラグ
消耗品は車の使い方や使用頻度によって、交換時期が変わります。
また、交換する部品も物により値段が違うので、人によりメンテナンス代は異なります。
維持費を減らしたいならエコカー減税!
エコカー減税とは、排出ガス性能・燃費性能の良い車に対して減税してくれる制度。
ハイブリッドカーやディーゼル車のほとんどが減税対象です。
エコカー減税では下記の税金が安くなります。
- 自動車取得税 (車を購入した際にかかる税金)
- 自動車重量税
排出ガス性能・燃費性能の基準をクリアした車に対して、25~50%の減税、もしくは免税してくれます。
対応車種は、各自動車メーカーの公式サイトに載っています。
例として、下図はマツダのエコカー減税表記です。
出典:マツダ公式サイト
エコカー減税の適用について、国土交通省は以下のように発表しています。
減税対象車について、適用期間中に新車新規登録等を行った場合に限り、特例措置が適用(1回限り)
引用元:国土交通省
それと、エコカー減税の適用期間は2021年4月までだよ(2019年9月現在)
また、2019年10月から税金のしくみが変わるため、エコカー減税も内容が変化します。
自動車所得税が撤廃されるため、上記の自動車所得税の減税は無くなります。
また、自動車所得税の代わりに、新たに環境性能割という税金が発生します。
環境性能割は、自動車の環境性能の良し悪しで税金を取る制度です。
こちらでも排ガス・燃費性能が高ければ免税になります。
燃費のいいSUVランキング
下記の表は、2019年9月現在に発売されているSUVの燃費を比較し、上位10車をまとめたものです。
メーカー | 車名 | 機構 | 実燃費 | |
1 | トヨタ | C-HR | ハイブリッド | 21.10km/L |
2 | マツダ | CX-3 | ディーゼル | 19.61km/L |
3 | レクサス | UX | ディーゼル | 19.20km/L |
4 | ホンダ | ヴェゼル | ハイブリッド | 18.19km/L |
5 | ホンダ | CR-V | ハイブリッド | 17.44km/L |
6 | トヨタ | RAV4 | ハイブリッド | 17.43km/L |
7 | マツダ | CX-3 | ガソリン | 17.40km/L |
8 | スズキ | クロスビー | ガソリン | 15.46km/L |
9 | BMW | X1 | ディーゼル | 14.97km/L |
10 | マツダ | CX-5 | ディーゼル | 14.60km/L |
データ参照:e燃費
エコカー減税は、上記ランキングの1位~6位までが適応車です。
SUVを選ぶ時の目安として、参考にしてみてください。
燃費のいい軽SUVランキング
出典:ハスラー公式サイト
下の表は軽SUVの燃費をランキングにしたものです。
メーカー | 車名 | 燃費 | |
1 | スズキ | スペーシアギア | 19.60km/L |
2 | ダイハツ | キャスト アクティバ | 19.32km/L |
3 | スズキ | ハスラー | 19.09km/L |
4 | 三菱 | ekクロス | 16.71km/L |
5 | スズキ | ジムニー | 13.49km/L |
データ参照:e燃費
軽自動車は普通乗用車に比べて自動車税、自動車重量税が安くなります。
維持費をなるべく抑えたい方におすすめです。
まとめ
SUVと普通車では維持費に差はありません。
大きい車が多い、燃費が悪そうというイメージで維持費が高く感じやすいだけでした。
もし維持費が高そうでSUVを諦めていたのなら、一度検討しなおしてみてください。
燃費の良いSUVなら、他の車より維持費が安いかもしれませんよ?