86で燃費の話をするのは、野暮かもしれません。しかし今のご時世燃費の話が出ない車は皆無でしょう。
86は水平対向エンジンを採用しているので、燃費が悪いとうわさがあります。
あなたは「スポーツカー=燃費が悪い」は当たり前だと思っているかもしれません。たしかに、ハイブリッド車と比較したら負けます。
でもあなたが思っている以上に、86の燃費っていいんですよ!
86乗るのに燃費の話なんてするなよ!と思ったそこのあなたも必見です。
トヨタ86のグレードごとのカタログ燃費と実燃費
引用先:トヨタ
昔はMTの方が燃費がいいなんてよく聞きましたが、実は86はATの方が燃費がいいんです。
もちろんドライバーのテクニックによってMTの方がよくなることもあります。
今の高性能なATは、どの程度の燃費を出せるのか?
86のラインナップ。グレード一覧
86はグレード毎のラインナップだけでなく、ATとMTもあります。
絶滅危惧種のMTがまだあるのは、さすがスポーツカーとして売り出しているだけはあります。
さっそくラインナップを見ていきましょう!
AT
価格(税抜) | JC08モード | |
---|---|---|
GT“Limited・Black Package” | 3,170,000円 | 12.4㎞/L |
GT“Limited” | 3,010,000円 | 12.4㎞/L |
GT | 2,823,000円 | 12.4㎞/L |
G | 2,451,000円 | 12.8㎞/L |
GR | - | - |
GR SPORT | 3,562,000円 | 12.4㎞/L |
MT
価格(税抜) | JC08モード | |
---|---|---|
GT“Limited・Black Package” | 3,108,000円 | 11.8㎞/L |
GT“Limited” | 2,948,000円 | 11.8㎞/L |
GT | 2,761,000円 | 11.8㎞/L |
G | 2,429,000円 | 11.8㎞/L |
GR | 4,600,000円 | 11.8㎞/L |
GR SPORT | 3,500,000円 | 11.8㎞/L |
AT→12.4km/l。MT→11.8km/lとグレードごとの燃費の違いはありません。
「MTが燃費がいい」はもはや昔の発想?
引用先:トヨタ
昔はMTの方が車体が軽くて変則の段数が多いので、燃費がいいとされていました。
ただ最近は制御機能も発達してきたので、ATの電子制御の方がMTドライバーよりも優秀になっています。
燃費のためエンジン回転数を自動調整しますし、スポーティなフィールでMT車を超えるデバイスまで登場しています。
この辺の分野は、MTではどうしようもありません。またATもMTとも車の総重量が変わらなくなってきました。
ただ、ATでもアクセル全開にするような運転をしてしまうと燃費がガクーンと悪くなってしまうので運転の仕方にはご注意ください。
86オーナーに聞いた実際の燃費は?
引用先:トヨタ
86オーナーがどの程度の燃費を出しているのか調べてみたとろ、多くのオーナーがカタログ燃費以上の数字を出しています。
一番燃費がよくなるのが、スピードの出せる高速道路です。
水平対向エンジンの性質もありスピードを出した方が燃費が向上します。
街乗り、高速、市街地の実燃費をチェック
実燃費 | |
---|---|
街乗り | 10㎞/L |
高速道路 | 15㎞/L |
郊外 | 13㎞/L |
いやぁ、かなり優秀です。スポーツカーで、この燃費はなかなか出せませんよ。
調べていると高速道路で19㎞/Lという燃費を叩き出している強者もいます。
乗り方によってもちろん人それぞれですが、後ほど紹介する「D-4S」が高燃費の後押しをしていることは間違いないです。
最近流行りのアイドリングストップなど、燃費をよくするための機能はついていないのに、この燃費・・・すばらしい!
エンジンの特徴がモロに燃費に反映されている証拠ですね。
そんな超優秀なエンジンについてちょっと語らせてください。
嘘か真か?【燃費が悪い=水平対向4気筒直噴DOHCエンジン】
86のエンジンは水平対向エンジンです。これは86の一番の売りであり、86購入を検討しているなら知っていますよね。
しかし『86の燃費が悪いのは水平対向エンジンを採用しているからだ』と、言われているんです。
水平対向4気筒直噴DOHCエンジンは燃費が悪いのか?そのあたりを分かりやすく解説していきます。
水平対向4気筒直噴DOHCエンジンとは
引用先:カーセンサー
86はスバルと共同開発している車で、トヨタで唯一水平対向エンジンを採用しています。
水平対向エンジンを採用しているメーカーは、スバルとポルシェだけなんですよ。
そもそも「水平対向エンジンって何?」と思われた人のためにわかりやすい動画があるので御覧ください。
水平対向エンジンの魅力が50秒の動画でわかりますよ↓
水平対向エンジンを採用しているので、86は重心が低く滑らかなコーナリングが実現されているわけです。
また86に搭載されているエンジンはトヨタと共同開発なので、専用ツインインジェクターを備えたD-4Sが採用されています。
エンジンの回転数に合わせて適切な燃料を噴射し、吸気・排気効率を高める可変バルブタイミングを搭載してるので、高出力トルクを引き出し環境性能も高くなっているのが特徴です。
86のエンジン仕様
総排気量が1,998Lで、最高出力が7,000rpmとハイパワーな車です。
エンジン仕様 | |
---|---|
総排気量 | 1.998L |
最高出力 | |
AT車: | 147kW[200PS]/7,000r.p.m. |
MT車: | 152kW[207PS]/7,000r.p.m. |
最大トルク | |
AT車: | 205N・m[20.9kgf・m]/6,400~6,600r.p.m. |
MT車: | 212N・m[21.6kgf・m]/6,400~6,800r.p.m. |
内径×行程 | 86.0mm×86.0mm |
圧縮比 | 12.5 |
燃費性能としてはATの方が優秀だと説明しましたが、エンジンの加速力としてはMTの方が高いのです。
軽自動車のトルクが10kgm前後なので、いかに86のトルクが高いかよくわかりますよね。
トルクが高いと加速が早く、出力が高いほどスピードが出しやすくなります。
自転車で例えると、低い変速よりも高い変速の方が楽にスピードを出せ、体力も使わないですよね。
そのことをよく熟知しているドライバーが運転すると、MTの方が燃費がよくなるのは必然なのです。
でも素人には高度なシフト操作は難しいので、ATの方が燃費がよくなるわけです。
どうして燃費が悪いという噂が出たのか
まず大きな理由として水平対向エンジンは、ショートストロークなので、燃費と低トルクが悪い代わりに馬力がよくなります。
これが理由で、スバル車は燃費が悪いという印象が強いのです。
ただ、ショートストロークは低回転の燃費は悪いのですが、高回転になると燃費がよくなります。
高速道路などでは燃費が良くなりますが、都市部のように速度を出せないエリアでは、どうしても燃費が悪くなります。
これらの理由で、水平対向エンジンの燃費が悪いという印象がついていますが、直立エンジンと比較しても数%しか変わりません。
ライバルのBRZと燃費を比較
結論から先に言ってしまうとカタログ燃費はほとんど同じです。
ガソリンタンクの容量も50Lと同じなので、走行距離も変わりません。
AT | MT | |
---|---|---|
86 | 12.4㎞/L | 11.8㎞/L |
BRZ | 12.4㎞/L | 11.6㎞/L |
MTのみ微々たる誤差があります。
みんカラなどオーナーの燃費も86とBRZの差はありません。
86とBRZの違い
では、どこが違うか簡単にご紹介します。
・インテリア(タコメーター、シフト、シートなど)
・フロントバンパー(写真見てもらったらよくわかりますよね。間違い探しです。)
・サスペンション(86の方が前輪がやわらかく、後輪が固いのでドリフトしやすい。BRZがその逆なので初心者向け)
・タイヤのサイズ
タイヤのサイズと燃費
グレード | サイズ |
---|---|
(86)G | 16インチ |
(86)GT“Limited・Black Package”、GT“Limited”、GT、GR、GRSPORT | 17インチ |
(BRZ)STI Sport | 18インチ |
86のタイヤサイズについて、少し細かい説明をするとGT“Limited・Black Package”とGTではリム幅が違うので前者が少し太く、リム径は同じなのでインチは同じです。
引用先:東京スバル
前輪と後輪のタイヤサイズが違うのも86ではGRのみです。GRはホイールもレース用かつ国内生産にこだわっていることで有名なRAYS製でめちゃくちゃいいです。
燃費の観点からいうと、タイヤサイズが大きくなればなるほど地面に接触する部分が大きくなるので、燃費は悪くなります。
86はレギュラーとハイオクどっちがいいの?
86はハイオク推奨です。
しかしトヨタの公式サイトには「レギュラーガソリン入れても大丈夫」って記載があるんです。
なのでレギュラーガソリンでも大丈夫です。しかし、ハイオクを推奨しているのには理由があります。
レギュラーガソリンを入れるとどうなるのか?
・ノッキングが起きやすくなる
・エンジン性能が十分発揮できない
せっかくの86の性能が十分に発揮できなくなるというわけです。
レギュラーガソリンを入れても走りますが、自己責任で入れてくださいね。
ノッキングが起きやすくなる理由は?
まず、ハイオクとガソリンで何が違うのか簡単に説明しますと、「爆発しやすいかしにくいか」です。
ハイオクの方が爆発しにくく、レギュラーの方が爆発しやすいです。
レギュラーはベストなタイミング以外でも爆発するので、燃焼室内で音がよくなるようになります。
それがノッキングが起きやすくなる理由です。
あちこちで爆発が起きると、エンジンが痛みやすくなり車の寿命が縮まります。
またそこまで大きな差はありませんが、ハイオクのほうが燃費が良くなります。
燃料代はハイオクのほうが1リットルあたり10円ほど高いので、目先の結果だけ見るとレギュラーの方が安くつきますが、エンジン性能が落ちていくので結果的にハイオクの方が安くつきます。
86の燃費向上テクニック
86で燃費をよくするために一番大切なことは、早めのシフトアップで速度を落とさないことです。
86オーナーとしては、どの道でも高速道路程度出せれば理想ですが、そういうわけにはいきません。
でもシフトを落とさない工夫はできます。
・都市部で渋滞する道・時間帯は避ける
・急発進、急ブレーキを踏まない
・MT車はシフトアップを早くする(低シフトで引っ張らない)
エンジンの特徴を活かした運転を心がけることが大切です。
他にも次の2つを気をつけると燃費の向上に繋がります。
- 車の重量をへらすため、荷物を積みすぎない
- アイドリングをしない
もっと詳しく知りたい方は、以下の記事を見てくださいね。
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86のタンクは50L入ります
先ほどの燃費の平均を取ると、13㎞/Lになります。単純計算で、50L×13㎞/L=650km走ります。
東京からだったら北は青森の八戸市辺りまで、西は兵庫の姫路くらいまで給油なしで走行できます。
タンクが大きいので思ったより走りますね!
まとめ
- MTよりATの燃費がいいんです
- 86の燃費はカタログ燃費以上でることも
- 水平対向エンジンだから燃費がいいんです!
- でも街乗りは苦手。高速道路は大得意!
- レギュラーガソリンは自己責任で
- 燃費を良くするには速度を落とさないこと
スポーツカーとしての86は高級車の部類ではありません。
しかし、デザイン・走行性能と高機能を備えた車なので、乗る人を選ばない車です。
そしてスポーツカーなのにめちゃくちゃ燃費がいいんです。
通常はカタログ燃費よりも燃費は落ちるのが当たり前ですが、86はカタログ値をうわまわります。
それも水平対向エンジンD-4Sのおかげなんです。
もっと燃費をよくしたい方は、86の醍醐味「改造」してください。
部品をつけたり、ホイールを軽くしてみたり・・・86乗るのに燃費を気にするなんて間違っているという考えは、もう古いですよ!
自分にあった86を作っちゃいましょう。