自動車ローンを使って車を購入しようとしたとき、不安になることがいくつかあります。
その中の1つが「保証人が必要かどうか」でしょう。
もし保証人が必要であれば、頼める人がいる人は多くないでしょう。
仮に頼める人がいるとしても、自動車ローンは安くありませんので、なかなか保証人になってくれないかもしれません。
そんな不安を解消するために、自動車ローンの保証人について、詳しく解説していきます。
これからローンを組んで自動車を購入しようとしている人は、必見です。
自動車ローンは基本、保証人は不要です
基本的に自動車ローンは、保証人がいりません。
現在の自動車ローンは「無担保」「無保証人」が主流になっているからです。
それは、消費者金融やカードローンなどのいわゆる貸金業の少額個人融資が、無担保・無保証人で数百万円ものお金を貸しているからです。
そのため、もし自動車ローンで保証人が必要になってしまうと、利用者を消費者金融に取られてしまいますので、ローン会社でも無担保・無保証人が主流になっているのです。
しかし、すべての自動車ローンで無担保・無保証になっているかというと、実際にはそうはなっていません。
利用者の状況などによって、保証人が必要になるケースがあるのです。
保証人が必要なケース
ただし、まれに保証人を求められることがあります。
保証人が必要といわれるのは、審査にあとちょっとで合格する場合です。
「もうひと押しあれば審査に通りそうなので、保証人付けておきましょう!」
みたいなイメージです。
自動車ローンの審査が通らないケースは以下の5つ。
1. 過去に金融事故を起こしている
2. 現在のローンの返済額が一定額以上ある
3. 年収が200万円以下である
4. 仕事が、アルバイトやパート
5. 勤続年数が短い
この5つに当てはまる場合は、審査が非常に厳しくなります。
しかし、先程も言ったように、あとちょっとで通りそう!というなら、保証人をつければ審査に通ることもあるのです。
逆に、完全にダメな場合は、保証人の有無にかかわらず審査落ちになります。
未成年(20歳未満)の場合
未成年者はお金を借りることが出来ません。
民法で「未成年者が法定代理人の同意を得ずに行った法律行為は、取り消すことができる」という規定によるもので、ローン会社が契約を無効にされることを防ぐ意味で行っています。
しかし、親の同意書があればローンの申込みができます。
申込みは出来ますが、仕事や収入によって審査が厳しくなることが多いでしょう。
その場合、親が保証人になれば審査に通ることが多いです。
また、結婚している場合は20歳未満でもこの規定は適用されないことになっていますので、未成だからといって必ず連帯保証人を求められるわけではありません。
高齢者の場合
70歳~80歳の高齢者の場合も審査が通らないことがあります。
子供に保証人になってもらえれば審査が通ると思いますが、高齢になったら車を手放したほうが得策かもしれませんね。
勤続年数が短い場合
正規雇用者であっても、まだ勤続年数が短い場合は、自動車ローンの審査に落ちてしまう可能性があります。
勤続年数が短いと離職率が高く、収入が突然ゼロになって返済できなくなってしまうリスクがあるためです。
そのため、ローン会社は保証人を立てさせることで、そのリスクを回避するわけです。
パートやアルバイト、自営業などで収入が不安定な場合
毎月の収入が一定ではない場合、毎月の返済が滞ってしまうリスクがありますので、保証人を求められることがあります。
アルバイトやパート、日雇いや短期の契約社員など収入が少ない人が当てはまる場合が多いですが、フリーランスや投資家など、収入が多くても一定ではない人も保証人を要求されることがあります。
年収が200万円以下の場合
年収が低い場合も、審査が厳しくなります。
おおむね200万円~250万円がラインと言われています。
月収で20万円(手取りじゃない)を切る場合は、厳しくなるかも。と考えておいてください
返済負担率が30%以上ある場合
安定した収入があったとしても、年収と年間の返済額の割合が大きすぎると審査に通らないか保証人が必要なケースがあります。
基本的には、返済負担率が30%を超えると保証人が必要となることが多いです。
返済負担率の計算は、自動車ローンだけではなく、他のカードローンやキャッシング、なども含めた金額になります。
銀行によっては、奨学金やスマホの割賦払いまで含まれることがあるので、注意してください。
返済負担率を下げるために、頭金を多く入れることで、保証人が不要になることもあります。
もし、車の買い替えの場合なら、今乗っている車を高く売って、頭金を増やせば保証人不要になるかもしれませんね。
車を高く売るなら、ディーラーや中古車販売店に下取りに出すのではなく、複数の買取業者に査定してもらって、一番高い査定額をだしてくれたところに売るといいでしょう。
ディーラー下取りより、平均16万円も高くなったというデータもありますよ。
過去に金融事故を起こしてしまっている場合
ローンの返済が2ヶ月以上遅れてしまったことがある方や、自己破産をしている場合は審査に通りません。
いわゆるブラックリストですね。
ただし、ある程度の期間がすぎればブラックリストから解除されます。
官報に掲載されていないケースなら5年、掲載されているなら7年以上で解除されます。
ある程度時間が立っていて、安定した職についている場合、保証人をつければローンが通ることもあります。
頼れる人が居ない!?誰を保証人にすれば良いのか?
前述のように、保証人を求められる理由はいろいろとありますが、そうなったときに誰を保証人として立てるべきか、とても悩むと思います。
保証人になってもらう人には、保証人としての責任がかかってきますので、そんな迷惑をかけられないという意識が生まれるのは、普通のことです。
そのため、できる限り保証人なしにできるようにするのが先決でしょう。
例えば、以下の条件をクリアすれば、保証人なしで借り入れできる可能性がグッと上がります。
・勤続年数が1年以上
・安定した収入がある
・他に(住宅ローン以外に)借入がない
・借入金額が少ない(頭金が多い)
これらの条件をすべて満たせない場合でも、他の自動車ローンであれば審査に通る可能性もあります。
例えば、銀行系ローンで保証人を求められても、ディーラー系ローンであれば保証人なしで審査に通ることはよくあります。
そして、それでも保証人を求められてしまったのであれば、自動車ローンを組むのが早かったのだと、少し時間を空けるというのも良いでしょう。
そうすれば、頭金も貯められますし、モデルチェンジがあり最新の車種に乗ることができるかもしれません。
そんないろいろな検討をした上で、まだ保証人を立ててでも自動車ローンを組まなければいけなくなった場合にのみ、保証人をお願いしましょう。
もちろん、理由をきちんと説明し、保証人にかかる責任を理解してもらった上で、保証人になってもらわなければいけません。
なお、保証人になるための条件は、「成人で、かつ返済能力があること」です。
一般的には親に依頼することが多いかもしれませんが、親でなくてもかまわないということになります。しかし、なかなか難しいでしょう。
そして、保証人には、「本人が返済できなくなったら、代わりに返済する義務」があります。
この点をしっかりと理解して、それでも保証人になってくれる人に依頼し、できる限り迷惑をかけないようにしなければいけません。
保証人代行というサービスもあるけど大丈夫?
世の中にはいろいろな代行サービスがあります。
その中に、「保証人代行」というものを聞いたことがある人もいるでしょう。
しかし、本当に大丈夫なのでしょうか?
「保証人代行」というのは、紹介料を払って保証人になってくれる人を紹介してもらうサービスです。
上述しているように、「成人で返済能力がある」という条件を満たせば、誰でも保証人になれますので、紹介された人が書類に記入、押印してくれれば、それで契約は進めることができます。
紹介された人は、当然ながらリスクを承知の上で報酬をもらってサインするということになっていますので、特に問題はないように見えます。
しかし、実際にこれらのサービスは公式に認められたサービスではなく、隙間産業的に生まれたものですので、法整備も進んでおらず、非常にグレーなものと言わざるを得ません。
つまり、実際にきちんとリスクが説明されているかどうかの確認はできず、そもそも実在の人物かどうかも分かりません。
また、契約が終わってから高額な代金を請求してくるために、泣き寝入りするしかないということも多く発生しているようです。
つまり、「保証人代行」サービスを使うこと自体は、現在のところ法に触れることはありません。しかし、トラブルになる可能性がとても高いのは確かです。
また、ローン会社によっては、親族などの近しい人を保証人にするように規定している場合もありますので、その場合は「保証人代行」サービスを使うことはできないでしょう。
保証人と連帯保証人の違い
なお、上述の「未成年」では「連帯保証人」、その他の項目では、「保証人」としていることに、気がついたでしょうか。
じつは、「保証人」と「連帯保証人」は、同じ保証人でも、その責任範囲が大きく違っているのです。
この違いを分かっていないと、依頼するときにきちんと説明できませんので、きちんと理解しておきましょう。
簡単に言うと、「連帯保証人」は、お金を借りている人(債務者)とまったく同じ責任を負いますが、「保証人」は2番手の責任を負うということです。
具体的に言うと、「保証人」は債務者がどうしても返済できなくなったときに、代わりに返済する義務を負います。
そのとき、保証人は債務者に返済するように要求したり、本当に返済できないのかを調べたりする権利を持っています。
しかし、「連帯保証人」は、これら「保証人」が持っている権利がなく、債務者の代わりに返済しなければいけない義務があるのです。
最悪の場合、債務者ではなく「連帯保証人」に督促状が届いても文句を言えません。
「保証人」と「連帯保証人」は、これだけ違うものですので、「連帯保証人」になってもらうことの重さを理解した上で、依頼するようにしなければいけません。
まとめ
自動車ローンを組むのに、基本的には保証人は不要です。
しかし、ローンの審査に通らないような条件があった場合は、審査に通るために保証人を要求されることが少なくありません。
しかし、保証人を頼むというのは、その人に大きな義務を負わせてしまうことになります。それを理解した上で、依頼しなければいけません。
そのため、安易に保証人を探すのではなく、まずは保証人が必要になっている問題点をはっきりとして、それを解消することから始めましょう。
また、じつは、他のローン(もう少し金利の高めなものなど)であれば審査に通る可能性もあります。
そういった、いろいろな努力の末、それでも保証人を立ててローンを組まなければならないときだけ、信頼のおける人に保証人を依頼するようにしましょう。
そうなってしまったら、信頼して保証人を引き受けてくれた人に迷惑をかけないよう、返済の遅延などは起こさないようにするのは、当然です。
・基本的に、自動車ローンに保証人は不要
・借り手が未成年の場合は、連帯保証人が必要
・そのままで審査に通らない場合は、保証人を立てるようにアドバイスされることがある
・保証人は、借り手がどうしても返済できなくなったときに弁済する義務が生じる
・連帯保証人は、借り手が返済できるかどうかにかかわらず、返済する義務がある
・保証人代行サービスは、グレーなサービスなのでトラブルの元になる