ランドクルーザープラドは、本家ランドクルーザーのライト版。
悪路よりも街乗り向けに開発されたランドクルーザーです。
本家ランドクルーザーは、中古市場では高値が付く人気車として知られています。
兄弟分のプラドはどうなのでしょうか。
そこで、今回は以下のような疑問にお答えします。
- プラドの買取相場ってどのくらい?
- 走行距離や年式、色で買取価格は違うの?
- 買取、オークション、下取りのどれが高値になる?
プラドの売却を検討している方は、ご参考にどうぞ。
ランドクルーザープラドの買取相場
ランドクルーザープラドの買取相場を、走行距離や年式、色ごとに比較していきます。
ここで参照するのは「150系」と呼ばれる、現行モデルのデータです。
走行距離ごとの買取相場:10万km以上でも値が付く
出典:ガリバー
グラフを見ると、全体として120~350万円ぐらいの間で推移しています。
グレード別では以下のとおり。
並び順は、上から新車価格が安い順です。
- TX:約120~250万円
- TX Lパッケージ:約140~310万円
- TZ-G:約140~350万円
なお、今回参照しているデータには、ガソリンとディーゼルの区別がありません。
当然ですが、走行距離の長さに応じて買取価格が値下がっていきます。
値下がりの幅としては1万km増えるごとに、20~50万円ぐらいです。
急激な値下がりが少なく、グラフは全体的に緩やかな下降線を描いています。
一般に車の寿命を表す目安として、「走行距離10万km」というものがあります。
これはタイミングベルトなどの部品が10万kmぐらいで寿命を迎えるので、そう言われているのです。
部品を交換すればまだ走れますが、それもメーカーの在庫次第。
さらに、13年落ち以降は自動車税や重量税が高くなります。
ちなみに、「○年落ち」とは「○年乗った車」という意味です。
そう、トータルで何年乗ったのかという意味。
話を元に戻しましょう。
走行距離が10万km以上になると部品や税金の都合で、乗らなくなることが多いので、寿命とされるのです。
なので、通常は買取価格も10万km辺りから値下がりが激しくなります。
プラドの場合も、10万km以降は値下がり幅が少し大きくなり、一気に70万円ほど値下がっている箇所もあります。
それでも、いずれのグレードも100万円以上です。
人気のない車種では値が付かないこともありますから、プラドはかなり健闘しています。
そう、本家ランドクルーザーほどではないにしても、作りがタフですからね。
また、海外では走行距離10万kmはまだまだ現役で、20~30万km走ることも珍しくありません。
年式ごとの買取相場:10年落ちでも100万円以上になることも
以下は、プラドの平均買取価格を年式別にグラフ化したものです。
出典:ガリバー
値動きの幅としては、約100~400万円の間で推移しています。
グレード別では、以下のとおり。
- TX:約100~260万円
- TX Lパッケージ:約130~350万円
- TZ-G:約140~420万円
年式が古くなるにつれ値下がっていきますが、下落ペースは全体的に緩やか。
他の車種だと、車検がある3~5年落ち辺りで値下がりやすいのですが、プラドは違いますね。
一般に、中古車は「1年に30%値下がりする」と言われています。
グラフではこの法則に基づいた計算結果を、グレードごとに点線で示しています。
実線の平均値と比較してみましょう。
点線は2016~2015年辺りで100万円以下になるのに対し、実線はその倍以上です。
そういうこと。だから、車の法定耐用年数を越えた6年落ち以降でも、100万円以上になるんですね。
ただし、輸出する国ごとの規制によって、買取価格が下落することもあります。
規制の内容として多いのは、「7年落ち以内」という年式を限定するものです。
実際、プラドもグラフを見ると、7年落ちの2012年で値下がり幅が大きくなっています。
規制は変わることもあるので、断言はできませんが、売るタイミングとして念頭に置いておくと良いでしょう。
また、プラドは日本の輸出規制がかかるかもしれない、と言われています。
ややこしいね。
日本が自国から輸出する物に対して、規制をかけることがあるんです。
日本の輸出規制については、後で詳しく紹介します。
色ごとの買取相場:パールや黒の人気色が高値
ここでは定番の5色にしぼり込んで、買取価格を見ていきます。
出典:ガリバー
パール→ホワイトパール
黒→ブラック
シルバー→シルバーメタリック
グレー→グレーメタリック
白→スーパーホワイト
色ごとにかなり明暗が分かれています。
人気のあるパールや黒が平均値で200万円前後。
でも、それに次いで人気のシルバーやグレー、白では100万円以下と、ほぼ半値です。
ちなみに、パールはその名前のとおり、真珠のような色のこと。
光を反射する粒子が入っているので、日の当たり具合でキラキラします。
一般的にはそうですね。
全体の件数もパールや黒が500件以上あるのに対し、それ以外はなんと50件未満。
そう言うと思って、他のサイトでも確認してみました。
まず、自動車SNSの「みんカラ」では、買取会社が買取例をブログで紹介しているので、見てみました。
ここではほぼ9割がパールか黒でした。
次にカーセンサーで、プラドの販売台数をチェック。
結果は以下のとおり。
- 全体:1,608台
- 黒:606台
- パール:531台
やはりパールや黒が、全体の半数以上を占めています。
将来売るつもりで購入するなら、パールか黒が断然オススメです。
今後、日本の輸出規制が強化される?
ランドクルーザープラドは海外で人気なので、買取価格が高値です。
でも、今後は日本の輸出規制が厳しくなるかもしれません。
イスラム国のようなテロ組織で使われる恐れがあるから、と言われています。
こちらの記事では、実際の様子が写真で捉えられています。
ランドクルーザーは耐久性が高く、悪路も走れるので、よく使われるのだとか...
すでにランドクルーザーは、規制の対象になっています。
プラドはランドクルーザーのライト版という位置づけなので、それほど耐久性が高くありません。
それでもプラドがランドクルーザーの代わりに使われないように、規制する可能性が高いとされています。
そうなると、輸出するには経済産業省の許可が必要になるので、買取価格も影響を受けるかもしれません。
なお、テロ組織も愛用する(?)本家ランドクルーザーの買取相場については、以下の記事で紹介しています。
[ランドクルーザー]買取相場や高値で売る方法~プラドとも比較
ランドクルーザーは、トヨタの最高級SUV。 高い耐久性から、国内のみならず世界的にも人気があります。 ですので、憧れて「いつかは乗りたい」と思っている人もいるでしょう。 ただ、車体サイズが大きく、道路 ...
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オークション相場と比較
買取以外でプラドを売る方法の一つに、オークションがあります。
買取と比較して、相場がどのくらいなのか見てみましょう。
買取相場よりも高値
以下は、オークション出品代行の「カーオクサポート」が公開している相場価格をグラフ化したものです。
出典:カーオクサポート
全体的な相場価格としては、約230~380万円の間で推移しています。
ただし、TX Lパッケージだけは最高値が約480~500万円と高めです。
買取だと平均値で約150~400万円。
最低でも約20万円、最高なら約100万円もオークションが高値です。
中間マージンが少ないから高値になる
オークションが買取よりも高値になるのは、中間マージンが少ないからです。
買取の一般的な流通ルートを簡単に書くと、以下のような感じになります。
「買取」→「オークション」→「販売」
この流れだと、各ステップごとにコストがかかります。
例えば、買取は査定、オークションは出品、販売は維持管理...といった具合です。
他にも利益を上乗せしますので、その分買取価格が安くなってしまいます。
ところが、オークション代行業者はオークションしか使いません。
利益は出品や落札の代行手数料で得ます。
買取や販売をしないので、余分なコストがかからず高値で売れるのです。
デメリットもある
オークションは買取よりも高値になりやすいので、魅力的です。
でも、メリットばかりではなく、以下のようなデメリットもあります。
- オークションで売れ残る恐れがある。
- 売れなくても手数料がかかる。
- 落札価格を虚偽報告される恐れがある。
買取と違って、オークションは売れなくても手数料がかかります。
しかも、再出品や出品キャンセルでも手数料が発生するケースがあります。
オークション代行は、買取会社のように在庫車や整備設備、店舗がいりません。
このため参入ハードルが低く、個人でも始められるので、トラブルも多いんです。
ウソの落札価格を報告されたり、預けた車や落札価格の持ち逃げといったこともあり得ます。
トラブルを防ぐには、以下のような点に注意すると良いでしょう。
- 大手の業者を利用する。
業者のウェブサイトで資本金や従業員数をチェックすることで、規模を判断できます。
- 取引実績が多い。
ネットオークションでも、出品者が信用できるのか取引実績をチェックしますよね。
それと同じです。
- 手数料の説明が具体的。
落札されなかった場合やキャンセル時の手数料についても説明があるかチェックしましょう。
売ることしか説明していない業者は、要注意。
下取り相場と比較
買い替える予定がある場合、下取りを検討する人もいると思います。
買取とどのくらい差があるのか、比較してみましょう。
ここではトヨタの公式サイトで公開されている「下取り参考価格」を参照します。
買取相場よりも安値
買取と下取りの価格幅は、以下のとおり。
- 買取:約150~400万円
- 下取り:約140~370万円
さらに下取り価格を発売時期ごとに見ていくと、こんな感じです。
【2017年9月発売】
- TX:約250~290万円
- TX Lパッケージ:約280~330万円
- TZ-G:約370万円
【2015年6月発売】
- TX:約225~280万円
- TX Lパッケージ:約252~325万円
- TZ-G:約330~340万円
【2013年9月発売】
- TX:約200~280万円
- TX Lパッケージ:約235~325万円
- TZ:約210~235万円
- TZ-G:約330~340万円
【2009年9月発売】
- TX:約150~200万円
- TX Lパッケージ:約140~230万円
- TZ:約175~225万円
- TZ-G:約170~225万円
下取りは、基本的に中古車の相場から影響を受けません。
このため、買取価格よりも安くなりがちです。
たとえ人気のオプションが付いていても、下取り価格に反映されません。
時間と手間をかけたくない人には良い
確かに価格の面では、下取りよりも買取に軍配が上がります。
でも、下取りは何と言っても手軽です。
買取は複数社と交渉することが多く、何かと手間と時間がかかります。
その点、買取なら交渉相手はディーラーだけですので、手間がかからず簡単です。
買い替える予定があって、値段よりも手軽さを優先したい人には良いでしょう。
まとめ
以上、プラドの相場について紹介してきました。
最後に、ポイントをまとめます。
【買取の相場】
<走行距離ごと>
- TX:約120~250万円
- TX Lパッケージ:約140~310万円
- TZ-G:約140~350万円
<年式ごと>
- TX:約100~260万円
- TX Lパッケージ:約130~350万円
- TZ-G:約140~420万円
<色ごと>
- パールと黒:約200万円
- シルバー、グレー、白:約100万円
海外で需要があるので、走行距離10万km以上や10年落ちでも、値が付く。
ただし、輸出先の規制で特に7年落ち以降は値下がりしやすい。
今後は日本の輸出規制がかかり、さらに値下がりする恐れアリ。
【オークションの相場】
- TX:約240~380万円
- TX Lパッケージ:約260~500万円
- TZ-G:約290~460万円
買取の相場より高値になりやすい。
ただし、落札されなくても手数料がかかるなど、リスクもあるので注意。
【下取りの相場】
- TX:約150~290万円
- TX Lパッケージ:約140~330万円
- TZ-G:約170~370万円
買取の相場より安くなりがちだが、面倒な交渉などがなく手軽。
紹介した相場の価格は、あくまでも一例です。
特に今回参照したデータは、ガソリン車とディーゼル車の区別がありません。
それ以外にも車体の状態や査定時期など、様々な要因で買取価格は微妙に異なってきます。
参考程度に捉えていただければ、幸いです。