タントは軽自動車ながら広い車内と使い勝手の良さで、人気のスーパーハイトワゴン。
そんなタントが、2019年7月に4度目のフルモデルチェンジを果たしました。
新モデルとなった機会に、購入を考えている人もいると思います。
そこで、この記事では以下のような内容を紹介します。
- どんなところが変わったの?
- 新しく追加された機能はあるの?
- 前モデルより価格や燃費はお得なの?
- ライバルと比較するとどんな感じ?
購入を検討する参考になれば、幸いです。
外装:全体的にシャープな外観。
まずは、見た目からチェックしていきましょう。

もちろんです。
前モデルとの最大の違いはヘッドライト
では、ガッツリと画像をどうぞ。
各アングルともに、上が新モデルで下が前モデルです。
タント
出典:タント公式サイト
カスタム
主な違い:タント
タントの主な違いは3か所。
出典:タント公式サイト
①ヘッドライト
LED化したことで、顔つきがシャープになりました。

②フロントグリル
タントの新モデルはLグレードを除き、フードガーニッシュがなく、フロントグリルだけです。
出典:タント公式サイト

③左右側面の窓
最後方の窓が丸みを帯びた形状になっています。
この点はカスタムも同様です。
主な違い:カスタム
カスタムの主な違いは2か所。
出典:タント公式サイト
①フロントグリル
前モデルではグレードごとにフロントグリルが異なる形状でしたが、同じものに統一されました。
②メッキパーツ
カスタムは前モデルよりもメッキパーツが少なくなっています。

ボディーカラー:新色6色追加。カスタムに2トーン登場!
ボディーカラーは、以下のとおり。
タント・カスタム共通色
ブラックマイカメタリック |
ブライトシルバーメタリック |
ファイアークォーツレッドメタリック |
【新色】マスタードイエローマイカメタリック |
【新色】シャイニングホワイトパール (メーカーオプション) |
【新色】レーザーブルークリスタルシャイン (メーカーオプション) |
タント専用色
ホワイト |
【新色】アイスグリーン |
【新色】ブルーミングピンクメタリック |
カスタム専用色
プラムブラウンクリスタルマイカ (メーカーオプション) |
【新色】パールブラック (メーカーオプション) |
【2トーン・新色】 ブラックマイカメタリック × シャイニングホワイトパール (メーカーオプション) |
【2トーン・新色】 ブラックマイカメタリック × レーザーブルークリスタルシャイン (メーカーオプション) |
【2トーン・新色】 ブラックマイカメタリック × ファイアークォーツレッドメタリック (メーカーオプション) |

新色は全部で6色。
タントはパステルっぽい淡い色、カスタムがクール系や原色ってところですね。
さらにカスタムには、今回から新たに2トーンが3色設定されました。

2トーンにはサイドガーニッシュも付きますよ。
出典:タント公式サイト

内装:新機能が盛りだくさん。軽初の機能も!
今回のモデルチェンジで、内装には様々な新機能が搭載されました。
中には軽自動車で初めて導入された機能もあります。

乗り降りをサポートする新機能
これまでタントのターゲットは子育て家族が中心でしたが、新モデルではもっと幅広い世代を狙っています。
その一環で、乗り降りに関する機能が強化されました。
運転席と助手席のロングスライド機能
運転席と助手席のスライド長が、とても長くなりました(Lグレードは除く)。
出典:タント公式サイト
上の画像にもありますが、具体的なスライド長は以下のとおり。
- 運転席:580mm
- 助手席:380mm
なんと世界初の機能。

スライド長が伸びたことで、運転席から後席に移動しやすくなりました。
いちいち降りて後席に回り込んで移動する手間がなく、楽です。
例えば、以下の動画で紹介しているように、後席に乗っている子供のところにすぐに行けます。
https://youtu.be/ycPCP7a2rDE?t=46

ライバルのN-BOXにもロングスライド機能がありますが、こちらは助手席だけです。
タントは運転席と助手席の両方でロングスライドできるので、より幅広い活用が期待できます。
特に助手席側は、ピラーがない「ミラクルオープンドア」です。
助手席を前進させれば、後席への乗り込み口がかなり広くなります。
人の乗り降りはもちろん、ちょっと大きな荷物を積むにも便利そうですよね。

対象グレード
ミラクルオートステップ
ミラクルオープンドアの開口幅に合わせた、長いステップです。
理学療法士や大学教授との産学共同研究によって、開発されました。
高齢者の乗り降りについて調査し、使いやすさを追求しています。
乗降部の高さがさらに低くなり、より乗り降りしやすくなります。
ステップはドアの開閉に合わせて、自動的に展開・格納しますので、外観を妨げません。

実際に使っている様子は、以下の動画をご覧ください。
次項のラクスマグリップも併せて紹介しています。
https://youtu.be/ycPCP7a2rDE?t=161
対象グレード
全車ディーラーオプション(ウェルカムシートリフト搭載車は除く)
ラクスマグリップ
出典:タント公式サイト
運転席と助手席のシートバックおよび助手席側のBピラーに取り付けられる、大型グリップです。
こちらも前項のミラクルオートステップ同様、産学共同研究によって開発されました。
凹凸を付けるなどして、握りやすいように工夫がされています。
一部はディーラーオプションだから、後付けもOK。

対応グレード
通常仕様車
- 助手席:全グレード(メーカーオプション)
- 運転席・助手席シートバック:全グレード(ディーラーオプション)
福祉仕様車
- 助手席:ウェルカムターンシートX、スローパーX(標準装備)
- 運転席シートバック:全グレード(ディーラーオプション)
- 助手席シートバック:スローパーX(標準装備)
スライドドアをより便利にする新機能
スライドドアの新機能は、軽自動車で初搭載されたものばかり。
かゆい所に手が届きますよ。
ウェルカムオープン機能
出典:タント公式サイト
電子カードキーを携帯し、降りる時に予約スイッチをオンにしておくと、車に近づくだけでドアが自動で開きます。
実際に使っている様子の動画はこちら。
https://youtu.be/ycPCP7a2rDE?t=139
買い物の荷物や抱っこなどで両手がふさがっている時に、便利。

結構使いどころが多いかもしれませんね。
対応グレード
運転席側:Lグレード以外の全車に標準装備
助手席側:X・Xターボ(メーカーオプション)、カスタムRS・X(標準装備)
タッチ&ゴーロック機能
出典:タント公式サイト
スライドドアって、閉めてから完全にロックできるまで意外に時間がかかります。
すぐに車から離れられず、もどかしく思った人もいるのではないでしょうか。

そんな不便さを解消してくれるのが、タッチ&ゴーロック機能です。
電子カードキーを携帯していれば、ドアハンドルのスイッチに触れるだけで、自動的にドアロックが予約できます。
ドアロックを待つことなく、車から離れられます。

実際に使っている様子の動画はこちら。
https://youtu.be/ycPCP7a2rDE?t=112
対応グレード
運転席側:Lグレード以外の全車に標準装備
助手席側:X・Xターボ(メーカーオプション)、カスタムRS・X(標準装備)
※ウェルカムオープン機能と同じ。
助手席&スライドドアのイージークローザー機能
出典:タント公式サイト
半ドア状態から、自動で完全にドアを閉められます。
新モデルでは助手席とスライドドアに搭載されており、助手席は軽自動車では初搭載。
車のドアって閉めるのに、結構力がいります。
特に力の弱い子供や高齢者は、閉め切れずに半ドアになりがちです。
すると、他の人がドアを閉めなおすことになります。
座っている位置によっては、一度降りて外から閉めなおす...なんてことも。

イージークローザー機能があれば、そんな手間を軽減できます。
実際に使っている様子の動画はこちら。
https://youtu.be/ycPCP7a2rDE?t=100

対応グレード
L・カスタムLのみメーカーオプション。
それ以外は標準装備。
運転支援機能:軽初の駐車支援システムを搭載
新モデルでは運転支援機能「スマートアシスト」が、さらにパワーアップ。
ここでは特に注目の新機能を3つ紹介します。
スマートパノラマパーキングアシスト:駐車支援システム
出典:タント公式サイト
軽自動車では初搭載となる、駐車の運転操作をサポートする機能です。
カメラで駐車位置を判別し、自動でハンドル操作します。
運転者は指示に従って、アクセルとブレーキを操作するだけで駐車できちゃうんですよ。
動画を見ると、良くわかります。

縦列駐車も楽々で、これで駐車が苦手な人でも安心です。

ただ、付けられるグレードが限られているので、ご注意ください。
対応グレード
L、カスタムL以外のグレード(ディーラーオプション)
ただし、XターボとRSは「スマートクルーズパック」を選択しないと付けられない。
アダプティブクルーズコントロール:全車速追従機能付ACC
渋滞した時って、発進と停止の繰り返しで面倒くさいです。

アダプティブクルーズコントロール(ACC)は、そんな手間をサポート。
設定したスピードで、先行車との車間を保持してくれます。
実際に使っている様子の動画はこちら。
https://youtu.be/qp_mZXzjPGE
ライバルのN-BOXにもACCが搭載されていますが、こちらは30km以下では作動しません。
でも、タントは「全車速」という名前のとおり、30km以下でも作動するんです。
なんと、停車もできちゃう。

ただし、ACCが選択できるのは、ターボ車だけです。

前項のスマートパノラマパーキングアシストは、ターボ車以外でも適用できるのに、ACCはダメなんです。
ACCを使いたい人はご注意ください。
対応グレード
燃費:前モデルとほぼ同じ。

いえ、前モデルとほとんど変わりません。

でも、性能が悪くなったワケじゃないんですよ。
燃費は据え置きで走行性アップ
新旧の燃費一覧(JC08モード) | |
新モデル | 23.8~27.2 |
---|---|
前モデル | 24.6~28.0 |
単位:km/L
確かに燃費は、前モデルとほとんど変わりません。
ですが、プラットフォームを一新したことで、走行性能が前モデルより格段に改善されました。
実際、「軽自動車でありながら普通車のような走りと乗り心地」という試乗レビューも多かったです。
燃費の数字よりも、実を取ったという感じですね。

個人差もありますから、試乗して確かめてみてくださいね。
ライバルと比較:N-BOXとほぼ互角
燃費よりも走行性を優先したタント。
でも、維持コストを考えると、燃費は完全に無視できません。

ということで、他のライバルと燃費を比較して、お得なのかチェックしましょう。
【ライバルとの燃費比較】
タント | 23.8~27.2 |
---|---|
N-BOX | 23.0~27.0 |
スペーシア | 26.4~28.2 |
デイズルークス | 20.4~22.2 |
単位:km/L
まず、デイズルークスはタントの圧勝。
デイズルークスは発売から5年経過していることもあり、さすがにタントの方が優勢です。
次にN-BOXはほぼ互角。
ただ、車両価格はタントの方が安いことを考えれば、互角以上と言えるかもしれません。
最後はスペーシアですが、さすがにマイルドハイブリッド車には負けます。
それでも、差は1km/Lだけです。

そうですね。グレードにもよりますが、なかなかの健闘ぶりです。

価格:価格帯は据え置き
フルモデルチェンジと言うと、値上がりすることが多いのですが、タントの場合はどうなのでしょうか。
いくら魅力的でも、予算が足りなければ買えません。

ここでは新旧の車両価格やオプションと合わせた価格、およびライバルとの比較を紹介します。
最高価格と最低価格は前モデルと同じ
最高価格と最低価格は、なんと前モデルと同額です。
新モデル・L(SA非搭載) | 2WD | ¥1,220,400 |
---|---|---|
新モデル・カスタムRS | 4WD | ¥1,873,800 |

プラットフォームをコンパクトカーと共通化することで、コスト抑制に成功しています。

でも、新旧の価格差を見ると、そうとも言い切れません。
以下の表は、新旧で同額の部分を抜粋したものです。
前モデル・L SA3 | 4WD | ¥1,414,800 |
---|---|---|
新モデル・L(SA非搭載) | 4WD | ¥1,414,800 |
前モデル・Xターボ | 4WD | ¥1,560,600 |
---|---|---|
新モデル・Xターボ | 2WD | ¥1,560,600 |
いずれも新モデルの方がスペックダウンしています。

他のグレードを見ても、新モデルの方が値上がっています。
グレード名称は同じでも仕様が異なりますので、一概に比較できません。
とはいえ、グレードと価格が全く同じなのは、最高と最低のところだけです。
オプションによっては200万円越え
タントの新モデルは値上がり傾向はあるものの、最高でも200万円以下で割安感があります。
でも、全速クルーズコントロール(ACC)や駐車支援システムといった目玉の新機能は、オプション扱い。
しかも、複数の機能をまとめたセットオプションという形で付けます。
例えば、ACCと駐車支援システムが入ったセットオプションの価格は、以下のとおり。
【AAC→スマートクルーズパック】
- Xターボ:59,400円
- カスタムRS:54,000円
【駐車支援システム→スマートパノラマパーキングパック】
70,200円
実際に計算してみましょう。
Xターボの車両価格は、2WD車で156万600円。
そこにAACと駐車支援システムをセットオプションで付けると、167万4,000円。
さらに、税金やナビの代金を入れると、安くても40万円ぐらい必要です。
すると、合計で190万円ぐらいになります。
最も高いカスタムRSにすると、220万円ぐらいです。

意外に肝心な機能がオプション扱いなので、ご注意ください。
ライバルと比較:主流は140~150万円台
以下はタントとライバルのN-BOX、スペーシア、デイズルークスの価格帯をグラフ化したものです。
※いずれも2WD車の価格。
タントは最安値では1位。
最高値も4車種中3位で、割安感があります。

ただ、タントは他と比べて標準装備が少なめ。
例えば、ライバル車ではチルトステアリングとシートリフターは標準装備ですが、タントはオプション扱いです。
なので、オプションの選び方次第では、それほどリーズナブルにならないこともあり得ます。
とはいえ、自分で色々選びたい人には良いかもしれません。

まとめ
この記事では、フルモデルチェンジしたタントについて変更点や新機能などについて紹介してきました。
最後にポイントをおさらいしましょう。
●外装
タント:ヘッドライトの高さが低くなった。
カスタム:メッキパーツが減少した。
ボディーカラーに、モノトーン6色と2トーン3色の新色が追加された。
●内装
運転席と助手席のスライド長が長くなった。
スライドドアに開閉予約やイージーロックの機能が付いた。
●運転支援機能
スマートパーキングアシスト:駐車の自動ハンドル操作機能。
全車速追従機能付ACC:30km以下でも動作するクルーズコントロール機能。
ただし、ACCはターボ車にしか付けられない。
●燃費
前モデルとほぼ同じながら、走行性能は大幅アップ。
N-BOXとはほぼ互角。スペーシアには負けるが、その差は1Km/Lのみ。
●価格
N-BOXやスペーシアより安いが、標準装備の機能が少ない。
でも、オプション選択の余地が多い分、選ぶ楽しみはアリ。
今回のモデルチェンジでは走行性能がかなり良くなった、という評判が目立ちます。
ご興味のある方は、ぜひ試乗してチェックしてみてください。

「百聞は一見に如かず」って言いますからね。
