車の燃料フィルター(フューエルフィルター)の寿命は約10年と言われています。
車検で引っかかったり、車の調子が悪くなって、燃料フィルターを交換しなくてはいけなくなった方もいるでしょう。
燃料フィルターだけを交換するなら5,000円位でできます。
工賃なども含めてもそこまで高額にはならないでしょう。
まぁ、5,000円~15,000円位でできるはずです。
ただ、10年もすると他の部分もガタが来ているかもしれませんね。
他の部品も含めて、『修理するのかしないのか』。
『安くできるならどうするのか?
もしくは、『車自体を買い換えるのか』を検討していきたいところです。
→車を買い換えようかな?と考えているならこちらの記事を参考に
※車を買い換えるベストな時期をお伝えしています
ところで、燃料フィルターってどんな役割をしているのか知っていますか?
燃料フィルターが詰まるとどんな症状が起きるのかも知っておいたほうが良いでしょう。
燃料フィルターの役割
燃料フィルターとは、エンジン内部に不純物が入らないように、燃料タンクとエンジンの間に取り受けられている濾過装置の事です。
通常濾過装置には、不純物を取り除くために不織布が利用されています。
燃料フィルターが取付けられている場所は、運転席の下やボンネットの中など車種によって異なるでしょう。
場所によっては交換が非常に難しいので、自分で交換するよりも専門業者に依頼する方が賢明です。
では、そもそもなぜ燃料フィルターが必要なのでしょうか?
燃料フィルターが必要な理由
ガソリンスタンドで販売されている燃料には、もともと燃料フィルターで取り除かなければならないような不純物はほとんど入っていません。
ですからガソリンだけの事を考えるのであれば、燃料フィルターは本来必要ありません。
しかし次のような理由で燃料フィルターを取り付ける必要が出てきます。
- 燃料補給時に不純物が混入する
- 燃料補給時の温度の変化によってガソリンタンク内に水分が発生する
こうした2つの理由から、どの車にも燃料フィルターを取り付けなければなりません。
ガソリンを給油する時に、風によって飛んでくる塵や埃が燃料タンク内に入ってしまうこともありますし、さらに雨が降っていれば雨水もガソリンと一緒に混入するでしょう。
さらに冬など温度変化の激しい状況下では、燃料タンクの中に結露が生じる可能性もあります。
つまり燃料タンクには、何かしらの不純物がすでに混入されてしまっているという事です。
燃料フィルターには、燃料タンクに入ってしまった水やゴミなどの不純物を取り除く役割があるのです。
不純物を取り除かないとフィルターが詰まって不調の原因に
不純物を含むガソリンがエンジンに入ってしまうなら、ガソリンと空気を混合させるキャブレターと燃料噴射ノズルに重大なトラブルが発生する可能性があります。
ですから燃料タンクとエンジンの間には、塵や水分を取り除くための燃料フィルターが必要です。
燃料フィルターが詰まるとどんな症状になる?
燃料フィルターは、簡単に言えば不純物を濾し取る濾過器であるため、使用していれば当然フィルターが詰まります。
もともと燃料フィルターに使われている不織布はピンク色をしていますが、詰まってくると不純物によってどんどん汚れていき、最終的には真っ黒になります。
では燃料フィルターが詰まると、どのような症状が出てくるのでしょうか?
燃料フィルターが詰まると起きる症状
大きく分けると燃料フィルターが詰まることで3つのトラブルが起きる可能性があります。
- エンジンのかかりが悪くなる
- 加速が鈍くなる
- エンジン内から音がする
もちろん燃料フィルターが詰まったからといって、すぐにエンジンが壊れるわけではありません。
しかし推奨されている使用期間を大きく超えて同じ燃料フィルターを使用しているなら、重い症状が出ることもあります。
もう少し詳しくどんな症状が出るのか見ていきましょう。
エンジンのかかりが鈍くなる
燃料フィルターが詰まると、フィルター部分で燃料がせき止められてしまい、エンジンまでガソリンをきちんと送れなくなります。
燃料が不足する事で、エンジンの始動が悪くなることがあります。
加速が鈍くなる
燃料フィルターが詰まってくると、アクセルを踏んでも加速までに若干時間がかかることがあります。
アクセルを踏んだ後に、ワンクッション入れてから加速が始まるという具合です。
こうした症状は主に、燃料を送るための燃圧が下がり、エンジン内に送られる燃料が薄くなることで生じます。
さらに、燃料の供給量が均一にならなくなるため、アイドリング時にエンジンの回転数が落ち着かなくなるケースもあるでしょう。
エンジン内から異音がでる可能性
フィルターが詰まる事で、燃料ポンプに十分な燃料がなくなってしまい、結果としてエンジンでも燃料が不足するようになります。
そのためエンジン内部からカタカタという音が聞こえてきたり、エンジンが温まっていない時にはキュルキュルと聞こえることもあります。
エンジンから異音が聞こえる時には、燃料フィルターの交換も検討できるでしょう。
燃料フィルターを交換する効果とは
上記のような不調が無くても、10年くらで燃料フィルターは交換したほうが良いでしょう。
交換すると、どのような効果があるのかをお話します。
フィルターを交換することで、詰まりによって生じていた燃圧が正常に戻ります。
正常に燃料をエンジンに供給できるようになるため、アクセルを踏むとタイムラグなしで加速ができるようになります。
その他に坂道を登る時にも、適切な燃料を遅れるため、アクセルを踏んでいるのに少し減速してしまうこともなくなります。
さらに寒い日でもアイドリングが落ち着くようになりますし、エンジンの始動もより安定するでしょう。
エンジンの始動や加速に変化が感じられない場合
燃料フィルターを交換しても、症状があまり改善しない場合もあるかもしれません。
そのような場合は、燃料フィルターが原因ではない可能性があるため、できるだけ本格的な検査を受けるようにしてください。
また人によっては、ほとんどフィルター交換の効果を感じない事もあるでしょう。
燃料フィルターが極度に詰まっていなかった場合は、体感できる変化が起きないこともあります。
しかし、不純物からエンジンや車を守るという意味では、確実に効果がありますので、推奨されている期間で交換するのは良い選択です。
では燃料フィルターの交換時期はどれくらいになるでしょうか?
燃料フィルターの交換時期(寿命)は?
推奨されている時期に部品を交換するのは、エンジンを守るためには不可欠です。
燃料フィルターの交換時期は、ディーゼル車か?ガソリン車か?という性能で異なっています。
ディーゼル車の燃料フィルター交換時期
一般的にディーゼル車の方が燃料フィルター交換時期は短くなり、30,000kmから50,000kmでフィルターを交換する方が良いと言われています。
ディーゼル車で使用する軽油はガソリンよりも比重が重いため、ガソリン車よりも水を吸い上げてしまう可能性が高くなります。
吸い上げる燃料に含まれる水が多くなれば、燃料フィルターで濾過する働きが増えることになるため交換時期が短くなるわけです。
加えてディーゼル車のエンジン始動方法が、ガソリン車と異なる事も燃料フィルターの交換時期に影響します。
ガソリン車はエンジンに送った燃料に火種を使って燃焼させますが、ディーゼル車は高温になったエンジン内で自然発火する構造になっています。
そのため燃料フィルターが詰まり、適正な量の燃料を送れなくなると、火種のないディーゼルエンジンは燃焼ができなくなり、エンジン始動にも支障が出ます。
こうした理由から、ディーゼル車では燃料フィルターをガソリン車より早めに交換することが推奨されています。
ガソリン車の燃料フィルター交換時期
ガソリン車の場合、燃料フィルターは10万kmで交換することが推奨されています。
ディーゼル車とのエンジン構造の違いによって、比較的長くフィルターを使用することができることが理由です。
車の取扱説明書によっては、40,000kmが交換時期になっていることもありますが、基本的には10万kmで交換すれば良いでしょう。
ただし、中古車を購入した場合は、以前の所有者がどのようなメンテナンスをしていたのか不明であるため、距離数に関わらずフィルターを交換する方が賢明です。
また10万kmでの交換でも大丈夫ですが、エンジンを良い状態に保つために、40,000kmで交換するのも良い選択と言えるでしょう。
燃料フィルターの交換費用は?(工賃含む)
燃料は英語でFuelと言うため、燃料フィルター交換をフエルフィルターと表記していることもあります。
燃料フィルターは、全車共通の部品ではなく、車種によって異なっているため車種によってフィルター自体の価格は異なります。
通常2,500円から5,000円で購入できるでしょう。
しかしディーラーで購入するのか、修理工場で購入するのかによってもフィルター単体の費用も変わります。
工賃
燃料フィルター交換費用は、フィルターだけの値段だけではありません。
古いフィルターを取り外して、新しいフィルターを取り付ける作業が必要になるため、作業工賃も必要です。
作業工賃は燃料フィルターの設置位置によって大きく異なっているため、自動車メーカーと車種によって大きく異なります。
工賃が2,400円の場合もあれば、14,000円以上になる場合もあります。
燃料フィルターはどこで交換するのがおすすめ?
燃料フィルターを交換する場合、ディーラーやカー用品店、ガソリンスタンド、町工場などの選択肢があります。
それぞれ、特徴があり料金も変わってきます。
どこで交換するのが安くて確実にできるのでしょうか?
工賃を安くするならディーラーは避ける
燃料フィルターの交換は、それほど複雑な作業ではないため、ディーラーと修理工場のどちらを選んでも問題はないでしょう。
しかし工賃は修理工場の方が安くなるため、工賃を安くするなら修理工場の方が良いです。
燃料フィルターは中古やリビルド品を選択することも可能
燃料フィルター自体の値段を安くする方法としては、リビルド品や中古品も検討できるでしょう。
しかし新品のフィルターは10万km利用できるのに対し、リビルド品や中古フィルターは交換時期が早くなってしまいます。
費用を取るならリビルド品や中古、利用期間を優先するなら新品のフィルターの方が良いでしょう。
まとめ
燃料フィルターは、エンジンの調子に直接影響を与えるものです。
交換のタイミングが遅くなったからといって、すぐにエンジンが壊れることはありません。
しかし詰まったフィルターを使い続けるなら、いずれ不具合が出てくるでしょう。
ですから不具合を感じる前に、推奨されているタイミングで燃料フィルターを交換してエンジンを大事にするのが一番です。