スズキスペーシアは、スライドドアのスーパーハイトワゴンです。
スライドドア式で室内も広々しているので小さい子供がいるファミリー層に人気があります。
2017年12月、満を持してのフルモデルチェンジをしました。
いろいろ新機能が搭載され良くなった!と好評なので、スズキ好きでなくても要チェック。
同タイプの軽自動車にはN-BOXやタント、デイズルークスがありますが、スペーシアは、女性(ママ)目線で作られていることとクラストップの低燃費が売りです。
その辺りも気になっている方も多いと思いますので実際のスペーシアの評価を見て行きましょう!
スペーシアの口コミ。オーナーの生の声をまとめました
新型スペーシアを購入した方の生の声を集めました。
満足しているところと不満なところはどこなのか?がひと目で分かるようにまとめたのでこれから試乗しに行く方は参考にしてくださいね
スペーシアの良いところ
・燃費がすこぶるいいですね!20キロを切りません!
・視座が高くフロントガラスも大きいので視野が広く運転しやすい
・後部席も広くてチャイルドシートを付けても圧迫感はないです
・小さい子供を載せるので安全装備が充実しているのがいい
・後方両側スライドドア採用などでコスパがいい
・マイルドハイブリッドでターボがなくても街乗りに十分
・後方自動ブレーキ付きが嬉しい
・ダッシュボード上が広々しているし収納が豊富
・内装の色が選べるのが嬉しい!
スペーシアの悪いところ
・右折時に右方向に死角ができます
・外観が普通すぎ…もうちょっと工夫が欲しかった
・カーテンエアバックがなく、オプションにもない
・フットブレーキをかける際に余裕がない
まとめ
やはり「燃費がいい!」という声が多いですね。
全グレードがマイルドハイブリッド搭載となりカタログ燃費は24.0~30.0km/lとクラストップレベルです。
実際の燃費も非常に良くて、街中では14~18km/l、高速道路では20~24km/lという低燃費を実現しています。
燃費ではライバル車に大きく差をつけているのではないでしょうか。
居住空間はかなり広く、後部席を格納できて27インチの自転車も積みやすくなっています。
後部席はスライド&リクライニングできるので状況に合わせてシートアレンジできるのも便利です。
デザイン面に関しては「普通すぎる・・・」という声がチラホラありました。
最近はハスラーやN-ONE、ラパンなどのように個性的なデザインも増えてきたので、スーパーハイトワゴンもデザイン性が高くなるといいですね!
安全機能についても普通車並みの充実を求める方と軽自動車ならではのコスパを重視する方に分かれます。
やはりライバル車のホンダN BOXやダイハツのタントと比較してどうかと検討する方が多いようです。
さて実際のところ乗り心地ははどうなのでしょう。試乗してきました!
【外観】デザインコンセプトは「スーツケース」
新型スペーシアの外装イメージは「スーツケース」。
荷物をたくさん積み込んで旅に出たくなるさわやかな色合いも好印象です。
旧型スペーシアは少しツリ目でしたが、新型はかわいい顔つきです。
どちらかというと女性向きかな?と思いましたが、営業さんによると20~40代まで男女ともに人気があるそうです。
ワンタッチで開くスライドドアは子どもでも開け閉め簡単。面白がって操作のし過ぎに注意です。
運転席横のスイッチでも開閉でき、送迎時にも便利です。
カラーバリエーション
色は3つの新色が追加されて、全部で14色。
ピュアホワイトパールは税込み21600円アップ、ツートンルーフは86400円アップオプションカラーです。
でも、やっぱりツートンがおしゃれだなぁ。
スペーシアカスタム
スペーシアカスタムはスポーティな雰囲気。
シュッとしてカッコいいですね。男性ウケしそうです。
旧型よりも重厚感が増した感じがします。
カラーバリエーション
色はスペーシアをより渋めの色合いで14色。
【内装】ゆったり室内にはたくさんの気配りが
内装はシンプルながらも、コンセプトの「スーツケース」がわかるようなちょっとしたオシャレ感がありますね。
また、シートの色も2色から選べるのも嬉しいです。
特筆すべきは、何と言ってもその広さ!
試乗にいって、後部席に乗った時「ひろーーーーーーい!」と子供が叫んでいました(笑)
広い室内と至れり尽くせりの収納スペース
まず乗り込んでの第一印象は、「これ軽自動車だよね?」です。
インパネ周りもおしゃれだし、シートのしっかりした感じはもはや軽の域を越えている完成度。
筆者の6年落ちのワゴンRとは全然違う……。
軽自動車は日々進化しているのだと実感しました。
普通車に負けず劣らずの快適さです。
内装色がベージュと黒から選べる
HYBRID Xは内装を黒とベージュの2色から選べます。
スタイリッシュな雰囲気か優しい雰囲気かを選べて◎。
筆者はベージュに心惹かれました。
スペーシアの室内空間は、当初から軽自動車の中でも最大クラスに広かったのですが、今回のモデルチェンジでさらにサイズアップ。
ボディ幅や全長は旧型と同じですが、旧型より50~60mmほど背が高くなっています。
室内高は1410mmで子どもが立っても余裕の広さ。
しかも乗り込むときのステップは低くなりました。(低床フロア設計)
これは社内の凹凸を減らして実現しているので、車高を下げたわけではないとのこと。
今まで通りに運転しても下側をこする心配は無用です。
かゆいところに手が届く「収納スペース」
そしてツボを押さえた収納スペースがいい感じです。
助手席側のインパネアッパーボックスは大きく開いて便利そうですし、ティッシュがぴったり収まるインパネボックスも使い勝手がよさそうです。
また、後部座席にスマホなどを充電できるアクセサリーソケットと充電中にスマホを置いて置けるポケットもあり重宝しそうです。
カスタムには後部座席のテーブルが標準装備です。
夏は涼しく冬は温かい!乗る人に優しいクルマなんです
室内装備はドライブを快適にする気配りがいっぱいあります。
まずは冬場。
エンジンをかけてもエアコンが効くまでに時間がかかりますよね。
そこで!運転席にはシートヒーターがついていて、お尻の下からじんわり温かくなります。(HYBRID XとHYBRID G 4WD)
オンオフだけで温度調整はできませんが、室内が暖まればオフにすればいいので、熱くなりすぎることはありません。
後部座席にはリアヒーターダクトがついていて、足元に温風を送り込みます。
また天井にはスリムサーキュレーターがついていて、室内の空気を効率よく循環させます。
夏場はエアコンをかけてもすぐに車内全体が涼しくなりませんよね。
そんなときに後部座席にもすぐに冷気が届きやすく、活躍するアイテムです。
エアコンではないので、そこから温風や冷風がでるわけではありません。
換気扇のような感じです。
プレミアムUV&IRカットガラスで紫外線カット
また夏場にありがたいのは、フロントガラスが「プレミアムUV&IRカットガラス」なこと。
紫外線を約99%(ってほとんど全部じゃ…)カットして日焼けを防いでくれたり、夏のジリジリと焼け付く熱さの原因である赤外線(IR)を70%もカットしてくれます。
駐車場で必ず「アツ~」となっていたのが、かなり軽減されそうです。
また後部座席にはロールサンシェードがついているので、直射日光や視線を遮るのにとても役立ちます。
もうあの丸い吸盤付きのものを貼り付けなくていいのです。
シートアレンジが楽すぎてシビれる
広い室内をさまざまな用途で使うためのシートアレンジも抜群の使いやすさ。
まず、なんといっても筆者が驚いたのは、荷室側からでもシートをスライドさせられること。
後ろにでているベルトを引っ張ると、座席の移動が驚くほどすんなりできます。
シートアレンジの際には後部座席でシートを操作してから荷室側に回って荷物を積むという2度手間がなくなります。
荷室は27インチの大人用自転車もラクラク積めるほど広いので、中高生の送迎にも抜群に便利ですね。
もちろんサーフボードくらい長いものもバッチリ載せられます。
ただ、フルフラットにしても成人男性が車中泊をするには少し狭いかもしれません。
勝手にカギまで閉まるスライドドアの機能がすごい
スライドドアはスイッチひとつでスムーズにオープン!
両手に荷物がいっぱいでも、雨の日に子どもと手をつないでいても開けやすい。
また予約ロック機能で、ドアが閉まり切る前に車を離れても閉まり切った時点でカギがかかります。(HYBRID X)
閉まるドアを途中で止めることもできたり、半ドア状態にすれば自動で閉まったりと至れり尽くせり。
スライドドアって意外とゆっくりで、閉まるまで待つのが面倒だったりするんですよね。
予約ロック機能は地味に便利かも!
走行性や乗り心地は?実際に試乗してみた感想
それではいよいよ試乗に行ってみましょう。
先代は乗り心地が固く、凸凹道だと突き上げ感が結構するという声が多かったのですが、新型はどうなんでしょう?
また、パワーや静粛性、軽自動車初のヘッドアップディスプレイの使い勝手など見ていきましょう!
軽自動車初のフロントガラス投影式ヘッドアップディスプレイ
新型スペーシアでは、フロントガラスにスピードが投影されます。
これは軽自動車では初搭載で、「フロントガラス投影式ヘッドアップディスプレイ」といいます。
スピードメーターを見るときに視線を落としてしまい前方不注意にならないためのものです。
ですが…体感してみると、慣れるまでに時間がかかるかもしれないという印象でした。
オンオフは選べます。
フロントの視界はとても広くて、とても運転しやすい車でした。
【パワー】坂道はストレスなく登れるのか!?
最初に筆者が試乗したのは、みぞれの降る寒い日でした。
坂道の馬力が知りたくて、山の上まで行ける試乗ルートにしていただきました。
雨から雪に変わるという路面状況としては最悪の日でしたが、スペーシアもスペーシアカスタムも問題なく登れました。
また、坂道で発信時にブレーキが勝手にきく仕様になっていて(ヒルホールドコントロール)、踏み遅れたときに少し下がる感じは全くありません。
雨の日の走行もブレなくスムーズでした。
まぁ、坂道に関しては馬力が物足りないという声もありそうですが、山間部に住むのでなければ問題ない範囲だと思います。
カスタムターボは加速も静かさも段違い
カスタムはさすがにターボがついているだけあって、初加速がものすごく静か。
スペーシアも多少ウーンというモーター音は聞こえますが、会話をしていると気づかないほどの静粛性です。
スペーシアとスペーシアカスタムの差は、デザインのほかはタイヤの太さなのですが、やはりカスタムは太い分安定感があります。
個人的には足回りが固い印象のスペーシア。
その中でカスタムは「かっちり走れるけれども路面の衝撃は受けにくい」と感じました。
マイルドハイブリッドの実力
アイドリングストップからの走り出しもスムーズです。
「軽自動車は初加速が……」という方もいますが、筆者は普段からグイグイ走るほうではないので十分です。
マイルドハイブリッド車なのでアイドリングストップからの再発進はモーターの力だけで動き、キュルキュルッという音がでません。
加速時はモーターがエンジンを助けてパワーアップしてくれます。
新型スペーシアのカタログ燃費と実際の燃費
カタログ値ではHYBRID G、JC08モードで30㎞/lとされていますが、営業の方は「街乗りなら6~7がけくらいですかね」とおっしゃっていました。
エアコンをよく使う状況や長距離はほとんど走らない方であればリッター16~17kmくらいまで落ちるのではないでしょうか。
実は今回のフルモデルチェンジで、カタログ燃費は32→30km/lと悪化しています。
そのあたりの理由や、グレードごとの実際の燃費はこちらにまとめました。
安全に対する取り組み
スペーシアは、子供を乗せて運転する人が多いでしょう。
そこで気になるのが「安全性」。
今回のフルモデルチェンジで安全性もパワーアップしたので見ていきましょう。
今回の目玉!衝突被害軽減ブレーキ
今回のフルモデルチェンジの中でも一番のポイントは「デュアルセンサーブレーキサポート」という衝突被害軽減ブレーキです。
なんと、全グレードに標準装備です。
フロントガラスについているカメラとレーダーの2種類のセンサーで障害物を検知します。
レーダーは暗い夜道でも検知力に優れ、カメラは離れた場所にある障害物の検知に優れているという両方のイイトコドリをしたシステムです。
実際に体験させていただきましたが、ガンッと急ブレーキを踏まれる感じです。
障害物の80㎝くらい手前できっちり止まりました。
ブザーと表示もあったはずなのですが、たぶん走行中にお話しなどをしていると気づかないのではないかな…という感じでした。
人に対しても働いてくれるので、飛び出しや夜間に黒い服で歩いている人など人間の力で反応しにくいところで効果があるといいなと思いました。
バックに自信がなくてもぶつからないという安心感
新スペーシアならバックが得意じゃなくても大丈夫です。
リアバンパーについた超音波センサーが警報音で知らせてくれる上、自動ブレーキも作動するので安心です。
こちらも軽自動車初の装備です。
なんと透明なガラスでも検知してくれる優れもの。
もう、バックはこわくありません。
ちなみに車を上から見下ろすように見られる360°モニターは、ナビをつけた人が追加できるオプションです。
スペーシアは、カスタムを含めて全グレード「サポカーSワイド」という一番上の安全性能です。
見積りもらってみました。総額はいくらになるのか
まずはグレードごとの車両本体価格です↓
【スペーシア】
グレード | 価格 |
---|---|
HYBRID G | 127.4万円~ |
HYBRID X | 140.9万円~ |
【スペーシアカスタム】
グレード | 価格 |
---|---|
HYBRID GS | 151.7万円~ |
HYBRID XS | 169.0万円~ |
HYBRID XSターボ | 172.8万円~ |
HYBRID X(2WD) HYBRID G(2WD)の価格差は135,000円です。
でも装備差はそれ以上の価値があるんです。
新スペーシアのグレードはHYBRID Xと HYBRID Gの2種類。
どちらも2WDと4WDがありますが、街乗りでは2WDで全く問題ありません。
カタログ価格でGが127.4万円、Xが140.9万円~と135,000円の差です。
Xだけについている魅力的な装備が多く、むしろXが標準なのではないかと思うほどです。
グレードアップでつく装備は下記のようなもの。
135,000円でこれらがつけられるなら、毎日の快適さを考えたら安い買い物だと感じます。
【Xについている装備】
・後部座席のスライドドアがワンタッチで開閉できる、後席ワンアクションパワースライドドア
・半ドアの状態まで閉めればあとは自動で閉まってくれるスライドドアクローザー
・車内の空気を上手にかき混ぜるスリムサーキュレーター
・後部座席にロールサンシェード
・ハンドルの高さを変えられるチルトステアリング
・車体後ろの真下が見やすい後方視界支援ミラー
・フロントアームレストの収納ボックス
・助手席シートバックポケット
・スマホなどの充電ができるアクセサリーソケット
どちらにもついている機能
・エンジンを切るとドアミラーが自動で格納される電動格納式リモコンドアミラー
実際にHYBRID Xにて見積もりをしてもらいました。
1,985,586円……。
でもこれは、下記のメーカーオプションとナビとETCをつけた価格です。
車両価格:1,468,800円
おすすめメーカーオプション
・アップグレードパッケージ
(LEDヘッドライト・LEDサイドターンランプ付ドアミラー・14インチアルミホイール): 75,600円
・全方位モニター用カメラパッケージ: 77,760円
値引きについて聞いて。やっぱり渋めなの?
発表されて間もないので、ディーラー値引きは3万円のみ。
「これ以上は無理です」と強気な姿勢なのは、それでも十分に売れるからなのでしょう。
実際、平日でも試乗希望の方が途切れない程度に来店していました。
値引きの代わりに勧められたのは、残価設定型ローン。
5年コースで申し込むと、最初の車検費用とメンテナンス費分88,900円がサービスされます。
ローンを組む予定なら普通のローンよりこちらがオトクかもしれません。
ただし金利手数料は20万円以上かかります。
現金で買えるならそのほうが、メンテナンスパックをつけても10万円ほどお得です。
初回の訪問ですので値引き額についてはこんなものでしょう。
本気で交渉すれば、値引き額はもっと行くはずです!
フルモデルチェンジしたばかりですが、ライバルのN-BOXやタントを競合すれば10万円以上は狙えます。
しっかり値引きしてお得に買いたい方は下記のページも見てくださいね。
→スペーシアの値引き相場と、限界値引きを引き出す交渉術3つのポイント
2カ所に試乗に行きましたが「身内で争っても仕方がないので」と他店よりサービスしようという感じではありませんでした。
経営資本が同じディーラーですので当たり前ですよね。
でも、経営資本が異なれば話は別です。このあたりのことも上記のページに書きました。
納期は?
現状で納車には1.5カ月くらいはかかる見込みとのことです。
これからもっと人気が高まれば納期は延びていくかもしれません。
最後に
筆者は今回新スペーシアの試乗に行ってみて、手放すつもりのなかった愛車ワゴンRの下取り価格をつい訊いてしまうほど、心惹かれました。
それでも車は大きな買い物なので、気になった車種は全部実際に見て試乗もしてみることをおすすめします。
周囲にはいろいろな情報があふれていますが、よーく見て触って比較することが満足度の高いお買い物につながると思います。